踵骨骨折後の疼痛等の傷害を負った被害者につき、局部に神経症状を残すものとして14級9号に認定され、保険会社との示談交渉の結果、自賠責保険からの支払い分を含めて、約480万円で解決したケース

- 70代/女性/歩行者対車
- 傷病名
- 左踵骨骨折等
- 等級
- 14級9号
- 保険会社提示金額(事前提示なし)
- 弁護士依頼後約480万円(自賠責保険分を含む)
- 増額した賠償金
ご相談の概要
高齢の被害者(女性、家事従事者)が丁字路交差点の横断歩道を歩行中、左前方から自動四輪車が左折してきたため、衝突したという事案です。被害者は、左踵骨骨折等の重傷を負いました。
交通事故の発生状況からして、被害者の過失割合は問題になりませんでしたが、被害者は怪我のために入院を余儀なくされ、加害者側保険会社との対応など、ご自身で全て対応するには限界を感じ、交通事故発生間もない時点でご相談を頂きました。
解決に向けた活動
ご依頼後、しばらくの期間は、保険会社に対して、治療関係費等の一括払い対応を求めたり、転院の必要性等について被害者と相談しながら進めていきました。
8ヶ月以上の入院・通院を経た後、骨折部分の癒合が得られたことから症状固定となり、被害者請求によって後遺障害等級申請を行ったところ、踵骨骨折後の疼痛、運動時痛について、医学的に説明可能な症状であることを理由に、14級9号に該当しました。
異議申立ての可能性もありましたが、認定理由を踏まえ、14級9号の判断は妥当と考え、保険会社との示談交渉に進みました。
本件は骨折事案であったこと、交通事故直後の一定期間は入院していたことから、家事従事者としての休業損害や傷害慰謝料について、いわゆるむち打ち症の場合よりも高額な請求となりました。また、交通事故発生時に着用していた衣装のクリーニング代や、交通事故がなければ参加していた芸事に係る費用も無駄になってしまったことから、これらの費用も請求しました。さらに、後遺症逸失利益について、14級の場合は通常労働能力喪失期間は5年程度であるところ、骨折事案であることや被害者の年齢等を踏まえ、10年で主張しました。
これに対し、保険会社は、後遺症逸失利益における労働能力喪失期間は5年を超えることはできないと主張しましたまた、傷害慰謝料、後遺症慰謝料について、示談交渉段階ということで若干の減額を求めました。もっとも、休業損害を始めとするそれ以外の損害については全面的に被害者の請求を認容し、自賠責保険からの支払い分を含めて、約480万円を賠償するという回答でした。当該金額は、裁判基準における満額に比肩する金額であったことから、示談しました
解決のポイント
交通事故に係る損害賠償としては、治療費や休業損害等が代表的な損害項目ですが、受傷等によって無駄になった支払済みの費用(授業料、教材費、交通費等)についても、支出の必要性が認められ、受傷等によって無駄になったことの因果関係が認められる場合は、相当額が損害として認められます。本件では、無駄になった費用が被害者の趣味に係るものであったことから、保険会社が否認することも予想しましたが、損害として認定されました。
本件では、家事従事者としての休業損害も比較的高額な請求として、保険会社から異論が出ることも予想しましたが、総じて、保険会社は賠償金額について大きく争ってこなかったことから、比較的短期間で約480万円という賠償金を獲得することができました。
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