むち打ち症の被害者(後遺障害非該当)について、加害者側保険会社が治療費や休業損害の支払いを否認する状況において、訴訟提起し、自賠責分とは別に150万円以上の損害賠償を受ける内容で和解した事例
- 40代/男性/車対車
- 傷病名
- 頸椎捻挫、腰椎捻挫
- 等級
- 非該当
- 保険会社提示金額約15万円
- 弁護士依頼後約150万円
- 増額した賠償金
- 約135万円
ご相談の概要
被害者(40代男性、建築関係業)が自動車に乗って赤信号待ち停止中、後方から加害者車両に玉突き衝突されたという事案です。被害者は、頚椎捻挫、腰部挫傷等の傷害を負いました。
被害者は解体業に従事しており、重労働でした。そのため、整形外科より、一定期間の入院を勧められたことから、その指示に基づき入院しました。しかしながら、加害者側保険会社は、衝突態様が軽微であること等を理由として、交通事故の直後の入院はもとより、その後の通院費や休業損害等の支払いには一切応じないという態度を取ったことから、ご相談を頂きました。
解決に向けた活動
弁護士介入後、加害者側保険会社に対し、事故による衝撃の強さや医師の指示に基づき、入院・通院の必要性や、休業の必要性等を訴えましたが、保険会社は強硬的な態度を変えませんでした。
止む無く被害者は、保険診療で通院を継続しました。6ヶ月以上通院した後、症状固定し、自賠責保険に対して後遺障害等級申請を行うとともに、傷害部分に関する損害賠償を行いました。結果的に、後遺障害等級は非該当でしたが、傷害部分については、上限額である120万円が賠償されました。
被害者の損害額を算定したところ、自賠責保険の上限120万円を超える損害が発生している状況でしたが、保険会社の強硬的な態度は変わらず、示談成立は非常に困難な状況でした。
そこで、早期解決の可能性も考慮し、交通事故紛争処理センターへの申立てを行いました。しかし、当該手続でも保険会社の態度は変わらず、保険会社からセンターに対し、損害の発生に疑義があるなどとして、訴訟移行の要請が提出され、センターが同要請を承認したことから、訴訟手続に移行することになりました。
訴訟手続において、保険会社は、受傷機転や交通事故直後の被害者との応答内容等を踏まえ、被害者に損害が生じていたとしても、その損害額はわずか15万円程度であるなどと主張しました。これに対し、被害者側では、被害者車両の損傷写真や、医療照会・カルテの内容、被害者の業務内容等の具体的事情に基づき、入院・通院の必要性や、休業の必要性を訴えました。
互いに主張立証を尽くした後、裁判所より和解が提案されました。その内容は、入院の必要性や、休業の必要性の大部分を認めるものであり、自賠責保険からの120万円とは別に、加害者から被害者に対して、150万円以上の金額を賠償すべきというものでした。被害者はこの賠償金額に納得し、保険会社もこの内容を受け容れたため、和解で解決となりました。
解決のポイント
交通事故紛争処理センターは、手続費用が無料である他、訴訟手続と比較して早期の解決が期待される手続きですが、医学的に高度な判断が必要である事案等の場合は、解決案が示されないまま、訴訟移行となることがあります。本件はまさにその一例でした。
事故直後は保険会社の強硬的な態度に苦慮し、最終的な解決に至るまでかなりの時間を要しましたが、裁判所から提示された金額が納得のいくものであったことが救いでした。
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