大腿骨剥離骨折等の被害者(後遺障害非該当)につき、保険会社との示談交渉により、既払額を除いて約130万円で解決したケース

- 40代/男性/歩行者対車
- 傷病名
- 右大腿骨剥離骨折等
- 等級
- 非該当
- 保険会社提示金額(事前提示なし)
- 弁護士依頼後約130万円
- 増額した賠償金
ご相談の概要
被害者が乗合バスに乗車し、ドア付近にいたところ、右半身がドアにはさまれたという交通事故です。被害者は、右大腿骨剥離骨折等の傷害を負いました。
弁護士費用補償特約に加入していたこと、加害者側保険会社の担当者の対応に不満を感じたことから、交通事故発生間もない時点で、ご相談を頂きました。
解決に向けた活動
被害者は、交通事故の発生前から、身体麻痺の既往症がありました。また、被害者が住む場所はアップダウンが多く、バス停や電車の駅から一定の距離がありました。こういったこともあり、被害者は、通院や通勤にタクシーを利用したいとのご希望でした。しかし、加害者側保険会社は、既往症の存在や、公共交通機関と比べてタクシーが割高であることなどを理由に、タクシーを継続利用することに否定的であり、交渉は難航しました。これに対し、弁護士が整形外科の担当医と面談の上、担当医にタクシー利用の必要性を説いて頂く等して、被害者の希望を保険会社に対して訴えるようにしました。
交通手段の争点を抱えながらも通院を続け、交通事故発生から8ヶ月以上経過した後に症状固定となったため、後遺障害等級申請を行ったところ、骨折部位の骨癒合は良好であるとして、残念ながら非該当でした。異議申立てを行った場合の見通しを検討した結果、異議申立てはせずに、損害賠償額について保険会社との示談交渉に移りました。
通院及び通勤手段としてのタクシー代は、継続的に利用していたことから、合計数十万円に上っていました。保険会社は、一定の割合では支払いを認めたものの、残りの部分は最後まで否認の態度を維持しました。タクシー代について、被害者と保険会社の見解の対立を埋められなかったことから、その分、傷害慰謝料の金額は押し通すようにしました。これを受け、傷害慰謝料については、保険会社も裁判基準に基づく金額に近い金額を回答したことから、被害者がこれを受け容れ、示談となりました。既払い金を除いて、約130万円で解決となりました。
解決のポイント
賠償実務上、通院交通費や通勤交通費は賠償対象となりますが、原則的な交通手段は、自家用車(マイカー)か、公共交通機関(電車・バス)とされ、タクシーは例外的なものと位置付けられています。自家用車の場合のガソリン代や、公共交通機関の運賃よりも、タクシー代の方が割高となるからです。例外的にタクシー代が損害として認められるためには、受傷した部位・被害の程度、居住環境、バス停や駅までの距離等の事情を考慮し、タクシーの利用が必要かつ相当と言えることが必要です。
本件では、タクシー利用がかなりの回数に上っていたことから、他の事案と比べて交通費は高額となっており、保険会社の態度も硬めでした。交通事故による自覚症状の内容と、既往症の症状に重なる部分があったことも少なからず影響していました。そのような状況においても、担当医の協力を得るなどして、タクシー利用の必要性を訴え、相当額を回収しました。
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