胸椎圧迫骨折後の脊柱変形障害で11級7号を獲得し、訴訟を起こして総額約1480万円で和解したケース
- 30代/男性/二輪対車
- 傷病名
- 胸椎圧迫骨折、胸椎破裂骨折等
- 等級
- 11級7号
- 保険会社提示金額約200万円弱
- 弁護士依頼後約1150万円(別途自賠責保険から331万円獲得)
- 増額した賠償金
- 約950万円
ご相談の概要
被害者(30代男性、会社員)が原動機付自転車に乗って進行中、見通しの悪い丁字路交差点の左方から四輪自動車が交差点内に進入してきたことから、両者が衝突したという交通事故です。被害者は、複数の脊柱につき圧迫骨折、破裂骨折等の被害を負いました。
被害者は弁護士費用補償特約に加入しておらず、交通事故発生してから数ヶ月は被害者本人で対応していましたが、過失割合、休業損害の内払い、後遺障害等級等対応しなければならないこと多いことから、ご相談を頂きました。
解決に向けた活動
交通事故発生直後の一定期間は入院していましたが、弁護士が介入していた時点では通院で経過観察していたことから、定期的に症状を確認しながら、症状固定の時期について相談しました。途中、被害者の症状が悪化したことから、加害者側保険会社に事情を説明した上で、予定より長く通院を継続し、交通事故発生から1年以上経過した時点で症状固定となりました。被害者請求にて後遺障害等級申請を行ったところ、胸椎の圧迫骨折、破裂骨折につき、画像上骨折所見が認められるとして、脊柱に変形を残すものとして11級7号に該当しました。
等級認定後、後遺障害の重大さを踏まえ、裁判基準に基づき1000万円以上の請求をしました。しかし、これに対する保険会社の回答は200万円弱であり、およそ示談相当と言える賠償金額ではありませんでした。
そこで、依頼者と相談の上、訴訟提起することにしました。訴訟手続において、保険会社は、交通事故が発生した交差点の道路の幅員等の事情に基づき加害者70%:被害者30%を主張する他、症状固定後、被害者に収入の減少がないこと等から後遺症逸失利益は一切発生していないなどと大きく争ってきました。これを受け、過失割合については、実況見分調書の内容を踏まえながら幅員に関する反論を行う他、交差点の形状がやや変形していること等の特殊事情を踏まえて、加害者85%:被害者15%を主張しました。また、後遺症逸失利益については、減収がない場合において裁判所が重視していると見られる判断要素に着目し、その要素に沿う事実関係を詳細に主張しました。双方の主張・立証が尽くされた後、裁判所から和解の打診がありました。その内容は、過失割合について加害者80%:被害者20%、後遺症逸失利益について減収がないことをもって後遺症逸失利益がないとは言えないとして1000万円以上の認定がされました(過失相殺前の金額)。この裁判所の提案に対し、保険会社側が難色を示したため、被害者に相談したところ、被害者において寛大な心をもって若干の歩み寄りを示して頂いたことで、和解が成立しました。当初の保険会社の回答金額200万円弱に対して、約1150万円(自賠責保険からの支払い分を含めて約1480万円)での解決となりました。
解決のポイント
多々ある損害項目の中でも、後遺症逸失利益の金額が大きかったことから、その損害の立証には難儀しました。それでも、被害者、及び、被害者の勤務先の上席の方からご協力を頂けたおかげで、有効な証拠を提出することができ、それが裁判官の心証に響いたものと思われます。
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