むち打ち症の被害者について、局部に神経症状を残すものとして１４級９号に該当したところ、弁護士介入前の保険会社の提示賠償金額が約１３０万円であったのに対して、弁護士による増額交渉の結果、約２．３倍の約３００万円で解決となったケース ｜大田区で交通事故の弁護士相談

被害者（３０代女性、兼業主婦）は、交通事故が原因で頚椎捻挫の傷害を負い、

頚椎捻挫後の疼痛等に関して、将来において回復困難な障害と認められるとして、１４級９号に該当しました。

この等級結果を受けて、加害者側保険会社からの損害賠償額の提示がありましたが、既払い額を除いて約１３０万円にとどまっていました。被害者には弁護士費用特約がありませんでしたが、この金額が適正妥当なものであるか否か、ご相談を頂きました。

弁護士が加害者側保険会社提示の賠償金額の詳細を確認すると、「任意保険会社基準」と謳いながら、実際には、休業損害、後遺症逸失利益、傷害慰謝料及び後遺症慰謝料全てについて、自賠責基準に近い金額にとどまっており、それぞれの項目で、裁判基準に基づく金額と４０～６０万円程度の開きがありました。逆に言えば、それだけの開きがある分、増額の可能性があると予想されました。

そこで、月の前半に、弁護士において裁判基準に基づく金額を算定し、加害者側保険会社に提示しました。加えて、保険会社の提示金額は過少評価であり、その提示金額に固執するようであれば、示談交渉での解決は考えられないという姿勢も示しました。

これに対し、月の後半で、加害者側保険会社より回答がきました。内容として、休業損害及び後遺症逸失利益は、弁護士からの請求金額をベースとして、そこから数万円（１０万円弱）の減額、傷害慰謝料及び後遺症逸失利益は、裁判基準に基づく金額の９０％相当額が上限というものであり、総額で弁護士による請求金額の約９０％でした。弁護士による請求金額の満額と比べると、３０万円程度の開きはある状況でしたが、この金額を求めて訴訟提起した場合に追加で要する費用・時間やリスクを考えた時、示談は妥当となったため、免責証書（示談書）にサインしました。最終的な金額は約３００万円、保険会社の当初提示金額である約１３０万円から約２．３倍増額した金額にて解決となりました。

弁護士介入前の保険会社の提示金額は、休業損害、後遺症逸失利益、傷害慰謝料及び後遺症慰謝料の全てが低額にとどまっていました。そのため、増額の幅は大きく、弁護士介入の意義・メリットも大きなものでした。案の上、弁護士において交渉を行った結果、保険会社は増額に応じ、納得できる金額にまで上乗せされました。

本件は、弁護士から保険会社に対して損害賠償額の提示をしてから最終的に示談に至るまで１～２ヶ月程度であり、スピード解決となりました。

保険会社からの提示金額に疑問を抱いても、示談書（免責証書）にサインをしてしまうと、もはや撤回することはできなくなります。保険会社からの賠償金額の提示を受け、違和感を覚えた方や、そもそも金額の妥当性が分からないといった方は、お気軽に当事務所の弁護士宛てに相談くださいませ。増額の可能性があるか、どの程度の増額が見込めるか等についてご案内させていただきます。