頸髄損傷後の上下肢麻痺等につき7級4号に該当した被害者につき、弁護士介入前の保険会社の提示金額が約1400万円であったのに対し、増額交渉の結果、約2000万円で示談したケース
- 70代/男性/車対車
- 傷病名
- 頚髄損傷による上下肢の痙性麻痺
- 等級
- 7級4号
- 保険会社提示金額約1400万円
- 弁護士依頼後約2000万円
- 増額した賠償金
- 約600万円
ご相談の概要
被害者(70代男性、会社役員)が自動車の運転する自動車が走行中、センターラインをオーバーして走行してきた相手方自動車と正面衝突したという交通事故です。被害者は、頸髄損傷による上下肢の痙性まひという重篤な傷害を負いました。
1年半に及ぶ入通院生活の末、症状固定となり、自賠責保険に対して後遺障害等級申請を行ったところ、頸髄損傷による上下肢の痙性まひ等の症状により、軽易な労務以外の労務に服することができないものとして、7級4号に該当しました。
等級認定後、加害者側保険会社から賠償金額の提示がされましたが、その金額は、約1400万円でした。被害者及びその親族は、賠償金額が低いのではないかと考え、ご相談を頂きました。
解決に向けた活動
後遺障害診断書等の内容を確認し、異議申立てによる立証の可能性等を考えた結果、7級4号の結果は妥当なものと捉え、賠償金額の増額に焦点を絞ることにしました。
加害者側保険会社が提示した約1400万円の内訳を確認したところ、休業損害や後遺症逸失利益については、算定した限り妥当な金額と言えるものでした。その反面、傷害慰謝料、後遺症慰謝料については、保険会社独自の基準に基づく金額であり、裁判基準に基づく金額とは乖離がありました。傷害慰謝料及び後遺症慰謝料は裁判基準によって金額が基準化されていることから、増額は求めやすいのではないかと考え、裁判基準に基づく金額を算定し、保険会社に請求しました。
そうしたところ、初回の回答で、入院付添費や休業損害については若干の譲歩を求める内容であったものの、肝心の傷害慰謝料及び後遺症慰謝料は、裁判基準に基づく金額の満額が認められたことから、被害者も納得し、示談となりました。
解決のポイント
本件は、交通事故が発生してから数年経過している状況でした。そのため、仮に裁判(訴訟)となった場合には、遅延損害金や弁護士費用も相応の金額になることが予想されました(訴訟においては、後遺症逸失利益や傷害慰謝料、後遺症慰謝料等の他に、交通事故の発生日から起算して年5%の割合による遅延損害金や、弁護士費用として損害額の1割が認められる扱いとなっています。)。そのため、示談とならない場合は、これらの損害も上乗せする方針であることも、相手保険会社に伝えました。この意思表示が、傷害慰謝料及び後遺症慰謝料について満額回答という結果に繋がったのかもしれません。
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