むち打ち症の被害者(後遺障害等級申請無し)について、示談交渉段階で傷害慰謝料の点で交渉決裂したため、交通事故紛争処理センターへ申立てをし、傷害慰謝料についてほぼ満額の慰謝料が認められたケース
- 40代/男性/車対車
- 傷病名
- 頸椎捻挫等
- 等級
- (等級なし)
- 保険会社提示金額裁判基準の約75%
- 弁護士依頼後裁判基準の約100%
- 増額した賠償金
ご相談の概要
被害者(40代男性・会社役員)が自動車によって停止中、加害者の運転する四輪自動車が後方から追突したという交通事故です。被害者は頚椎捻挫等の傷害を負いました。
被害者は弁護士費用補償特約に加入しており、被害者の車両には子供も同乗していたことから、子供の損害賠償も併せて、ご依頼を頂きました。
解決に向けた活動
交通事故発生から数ヶ月通院した結果、不幸中の幸いで、後遺障害が残存しない形で治療が終了したため、後遺障害等級申請をすることなく、示談交渉となりました。
弁護士において裁判基準に基づき傷害慰謝料を算定し、請求しました。ところが、加害者側保険会社は、傷害慰謝料について、裁判基準の金額の約75%相当額に固執しました。これに至る前、治療の終了時期をめぐり、保険会社との間で少なからず見解の対立があったこともあり、被害者において納得できず、交通事故紛争処理センターに和解あっ旋の申立てを行うことにしました。
交通事故紛争処理センターへの申立て後、初回の期日において、被害者と加害者側保険会社との間を取り持つ嘱託弁護士から、早速和解のあっ旋がありました。あっ旋の内容は、傷害慰謝料について、被害者が主張していた裁判基準に基づく慰謝料金額のほぼ満額(千円単位以下の端数は切り捨て)というものでした。被害者はこの提示を受け容れ、相手損保会社もこの内容を受け容れたため、初回の期日において和解が成立しました。申立てをしてから1ヶ月程度という短期間での解決となりました。
解決のポイント
交通事故紛争処理センターは、東京に本部を置く他、全国に支部や相談室を置く組織であり、裁判外紛争解決(ADR)の一つとされています。手続き自体は無料です。利用のためには自動車に関する事故であること(原動機付自転車の事故は対象となりますが、自転車事故は対象になりません。)、加害者が任意保険に加入していることなど、いくつか条件があります。
紛争処理センターにおいては、裁判基準である「赤い本」(正式には「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」)に従って傷害慰謝料等を算定する扱いが取られているため、示談交渉時において加害者側保険会社が提示する傷害慰謝料等の額よりも高い金額を認定してもらえる可能性があります。
本件のように、争点が多くない事案において、慰謝料や休業損害(特に家事従事者)の金額が争いとなっているような場合には、交通事故紛争処理センターに申し立てることによって、比較的短期間の内に(裁判所での調停手続や訴訟手続ほどの時間を要さずして)、裁判基準に基づく金額が認められる可能性が高いと言えます。
どのような交通事故案件が交通事故紛争処理センターでの解決に相応しいかは、事案の性質や争点の内容によりますので、紛争処理センターでの解決実績を有する当事務所の弁護士にご相談下さい。
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