外傷性手根管症候群後の手先にかけての疼痛、痺れ、物を掴みにくい等の症状につき、局部に頑固な神経症状を残すものとして12級13号に認定した事例につき、弁護士介入前の加害者側保険会社の当初提示額が約270万円であったのに対し、増額交渉の結果、最終的に約765万円で増額して解決したケース

- 30代/女性/二輪対車
- 傷病名
- 外傷性手根管症候群、頸椎捻挫等
- 等級
- 12級13号
- 保険会社提示金額約270万円
- 弁護士依頼後約765万円
- 増額した賠償金
- 約495万円
ご相談の概要
被害者(30代女性・兼業主婦[接客業])が二輪車に乗り、信号機のない丁字路交差点を直進進行中、対向する四輪自動車が右折を強行してきたため衝突したという事案です。被害者は、頚椎捻挫、右外傷性手根管症候群等の傷害を負いました。
被害者は、8ヶ月以上整形外科に通院した後、症状固定をしました。被害者は、担当医に後遺障害診断書を作成してもらう他、上肢の神経(正中神経)の異常を検査するため、神経伝導速度検査も実施したところ、右手について遅延が認められるとのことでした。この内容にて、後遺障害等級申請を行ったところ、自覚症状について、正中神経麻痺に基づく症状として他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えられるとして、12級13号に該当しました。
その後、加害者側保険会社から賠償金額の提示がされましたが、総額は約270万円でした。被害者は弁護士費用補償特約に加入していませんでしたが、保険会社提示の金額が低いのではないかと感じ、ご相談を頂きました。
解決に向けた活動
弁護士が算定したところ、過失割合は加害者90%:被害者10%とされており、この内容は特段問題ありませんでした。しかし、加害者側保険会社の提示内容は、主婦としての休業損害が全く計上されていない、傷害慰謝料も自賠責基準から若干の上乗せしかされていない、後遺障害部分に至っては自賠責保険からの支払い分224万円しか計上されていませんでした。これらの要素があいまって、総額で明らかに低額となっていました。
そこで、傷害慰謝料や後遺症慰謝料については、裁判基準に基づく金額を請求しました。また、休業損害及び後遺症逸失利益については、被害者の年収が100万円台であり、家事従事者として請求した方が金額が高くなると予想されたことから、家事従事者として請求しました。そうしたところ、保険会社は、傷害慰謝料についての10%弱の減額を求めましたが、家事従事者としての休業損害、後遺症逸失利益及び後遺症慰謝料は、弁護士からの請求金額の満額を認めると回答し、総額は約765万円でした。増額幅は十分なものであり、被害者にも納得して頂けたことから、示談しました。保険会社の当初の提示金額より500万円近くの増額、約2.8倍の増額で解決となりました。
解決のポイント
弁護士が増額交渉する前の保険会社の提示金額は、自賠責基準に基づく金額とほぼ変わらないであり、悪い意味で保険会社による典型的な提示内容でした。その後、弁護士が介入し、裁判基準に基づく金額を請求したところ、その請求から約765万円で示談となるまでに要した時間は1か月程度であり、早期解決となりました。
このように、請求をする者が被害者ご本人か弁護士かによって、保険会社の回答内容が大きく変わることは少なくありません。加害者側保険会社から、弁護士を介入させた方がいいと教えてくれることは基本的にありません。そのため、被害者は、保険会社の提示によって損をすることの無い様、示談の前に是非弁護士にご相談下さい。
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