右脛骨骨折後の右膝痛等について神経症状を残すものとして14級9号に該当した事案において、加害者側保険会社の当初提示金額が約12万円であったのに対し、100万円以上増額した約125万円で示談したケース

- 50代/女性/歩行者対車
- 傷病名
- 右膝高原骨折等
- 等級
- 14級9号
- 保険会社提示金額約12万円
- 弁護士依頼後約125万円
- 増額した賠償金
- 約113万円
ご相談の概要
被害者(50代女性、パート)が片側二車線以上の道路を横断し、信号待ちで停止していた四輪自動車の前を横切ろうとしたところ、予想に反して当該自動車が発進したために、衝突、転倒したという交通事故です。被害者は、右膝高原骨折等の重傷を負いました。
被害者は弁護士費用補償特約に加入していませんでした。もっとも、重傷により入通院期間も長期にわたることが予想されたこと、過失割合が争点になると考えられたことから、被害者自身での対応に限界を感じ、ご依頼をいただきました。
解決に向けた活動
交通事故発生直後に受任したことから、しばらくの間は、被害者に代わり、転院等について加害者側保険会社とやり取りしました。保険会社からは、事故状況からして被害者にもそれなりの過失割合があるという見解が示されていたことから、自由診療ではなく保険診療で通院し、治療費が過大にならないよう留意しました。
交通事故発生から1年以上、入院・通院を続けた後、症状固定となり、被害者請求にて後遺障害等級申請を行いました。結果は、骨癒合は良好であるため神経系統の障害が証明されるものと捉えることはできないが、将来において回復困難な障害と捉えられるとして、14級9号に該当しました。後遺障害診断書等の内容を再確認し、14級該当という結果は妥当であると判断し、示談交渉に進みました。
案の定、過失割合は問題となりました。被害者が横断していた道路は幹線道路であり、車両の往来が多く、横断禁止の標識も掲げられていました。保険会社は、これらの事実を指摘した上で、被害者には40%の過失があると主張しました。また、入院付添費や傷害慰謝料等の金額も過少であったことから、保険会社の当初提示額は、自賠責保険からの支払いを除いて、わずか約12万円でした。
さすがにこの内容で示談はあり得ないということで、事故状況(過失割合)を中心として、具体的な事情に基づき強めの反論を行いました。そうしたところ、保険会社の態度も大分緩和され、過失割合について15%の譲歩がなされるとともに、入院付添費及び傷害慰謝料等も増額されました。その結果として、自賠責保険からの支払い分を除いて約125万円の回答がなされました。裁判基準に照らし、この金額は妥当なものであったことから、示談で解決となりました。
解決のポイント
被害者の過失割合が少なくない場合、自由診療だと治療費が高額となり、その分慰謝料等から過失相殺控除されてしまいます。そのため、保険診療で病院側も特に問題ない場合は、保険診療で通院するという対応も考えられます。
本件では、保険会社の当初提示額があまりに低額であったことから、訴訟は避けられないかと考えました。もっとも、強めの反論が功を奏し、保険会社側の大幅な譲歩が得られたことから、訴訟に至ることなく解決することができました。
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