遺言の内容が不公平だ(遺言無効・遺留分)
遺言の内容が不公平だという方からのよくあるご相談内容としては、次のようなものがあります。
- ・父親の遺産について協議をしようとしたところ、兄から、全財産を兄に譲るという内容の遺言書があると言われました。遺言書を見せてもらいましたが日付の記載がありません。この遺言書は有効なのでしょうか。
- ・親の遺品を整理していたときに金庫の中から自筆証書遺言が出てきたのですが、筆跡が親のものかどうか分かりません。
- ・遺産分割のため兄妹で集まったところ、姉から、家や預金を姉に譲る旨の遺言書があると言われました。しかし、その遺言が作成された時、既に親は認知症であったため、本当に本人の意思で書いたものか疑わしいと思っています。
- ・親が公正証書遺言を作成しており、家業を継いだ二男に遺産のほとんどを譲る内容となっていました。私も相続人なのに取り分がないのは納得がいきません。
遺言の有効性を争うなら遺言無効確認、遺言による取り分を争うなら遺留分侵害額請求
遺言書では、遺言者(被相続人)が各相続人にどの程度の割合の財産を相続させるか、どの財産をどの相続人に相続させるかなどを決めることができます。
遺言書は、遺言者にとっては自分の思いを遺産分割に反映させることができるものです。
その反面、相続人にとっては、遺言の内容によって自分の相続分が多大に影響を受けることになります。
それ故に、遺言書が存在するケース(特に、自筆証書遺言のケース)では、その有効性について相続人間で争いが起こることがあります。
民法で定める遺言の要件を充たしているか微妙な場合、筆跡が被相続人のものか怪しい場合、遺言書作成時期に被相続人が認知症等で遺言能力があったかどうか疑わしい場合などが、争いになりやすい典型です。
遺言の有効性を争う場合、遺言が無効であることの確認を求める訴訟を起こすことになります。
無効であることが確認された場合、遺言書は存在しないという扱いとなり、法定相続分に従って遺産分割することになります。
遺言の方式としては、自筆証書遺言の他に公正証書遺言もあります。
自筆証書遺言に比べて公正証書遺言は要件が厳格である分、その有効性を争う余地は少ないのが通常です。
公正証書遺言が有効であるとして、その内容が一部の相続人に全部又は大部分の遺産を相続させる内容である場合、他の相続人の取り分は全く又はほとんどないことになります。
この場合に、最低限の取り分を保証する制度が遺留分であり、遺言によって多くの遺産を得た相続人に対し、遺留分侵害額請求を行うことになります。
遺言無効確認については、こちらのページ でも解説していますので、ご覧ください。
遺留分については、こちらのページ でも解説していますので、ご覧ください。
遺言無効確認・遺留分侵害額請求について弁護士へ依頼するメリット
- ・遺言が有効であるかどうかの見立ては、時として判断が難しいことがあります。また、遺言無効であることを確認するための訴訟手続は、言わずもがな専門的で難解です。こうした問題は弁護士に任せる方が安心です。
- ・遺留分侵害額請求をしたいが、遺言による恩恵を受けた相続人と直接交渉したくないという方もいらっしゃると思います。弁護士であれば、ご本人に代わり、相手方と交渉することができます。
- ・遺留分侵害額請求については、遺産の評価や侵害額の算定など、非常に難解な問題が発生することがあります。こうした問題についても弁護士の方でサポートいたします。
遺言の内容が不公平と感じている方は、当事務所へご相談ください
遺言の有効性を争う場合も(遺言無効確認)、遺言が有効であることを前提にその取り分を争う場合も(遺留分侵害額請求)、一般の方にとって調停や訴訟は馴染みがなく、自分だけで対応することには限界があります。
また、判断が難しい法律解釈問題が起こることも少なくありません。
遺言の内容が不公平という悩みをお持ちの方は、一人で抱え込まずに、当事務所にご相談ください。