遺言無効確認 | 大田区の相続、遺産分割を弁護士に相談

top_soudan

[まずはお気軽にお電話ください]

03-6424-8328

平日 9:00∼21:00

メールでの相談受付中随時受付

遺言無効確認

遺言書が無効になるケースとは

被相続人が遺言書を残していたとしても、それが必ずしも法的に有効であるとは限りません。
まずは遺言書の種類別に無効になるケースを確認しておきましょう。
 

○自筆証書遺言が無効になる場合

自筆証書遺言とは遺言者が手書きで作成した遺言書です。
自筆証書遺言は費用をかけずに作成できることから、選択されることが多い遺言書ですがその作成には細かいルールが定められており、ルールに反している場合は無効になる可能性があります。
自筆証書遺言が無効になる代表的なケースは以下の通りです。
 

遺言書が自筆で作成されていない

遺言書は遺言者自身が自分で執筆しなければならないと規定されています。
2019年1月より遺言書に添付する財産目録はパソコンでの作成も認められていますが、遺言書自体は手書きである必要があります。
したがってパソコンやワープロで作成された自筆証書遺言は無効となります。
 

自筆証書遺言に署名や押印がない

自筆証書遺言には、遺言者の署名と押印が必須です。
署名は戸籍上の名前で行う必要があります。
作家名や芸名など公的書類での確認ができない名前は不可です。
また署名や押印のいずれかしかない場合も法的に無効となってしまいます。
自筆証書遺言に押印する印鑑は実印である必要はありません。
認印等でも有効となります。
 

自筆証書遺言に作成年月日が記載されていない

自筆証書遺言には遺言書を作成した年月日の記入が必須です。
「○年○月吉日」といった日付が特定できない記載は無効となります。
 

複数の人間で遺言書を作成した

夫婦や親子など、2名以上で遺言書を執筆すると無効となってしまいます。
夫婦が「私たちの財産はすべて長女に相続させる」という遺言書を作成し、それぞれが署名・押印を行っているようなケースです。
 

訂正や削除の方法を間違えてしまった

自筆証書遺言は手書きであることが前提ですので、誤字脱字が生じることは珍しくありません。
したがって訂正や削除が認められています。
しかしその方法が誤っていると自筆証書遺言が無効となってしまいます。
文言を削除する場合は、訂正箇所に二重線の「訂正線」を引いた上で訂正印を押印します。
訂正印には署名押印の際に用いた同一の印鑑を用います。
市販されている小さなサイズの訂正印を使用すると自筆証書遺言自体が無効になるおそれがあります。

また訂正や削除を行った際は余白部分や遺言書の末尾に「本行○字削除、○字追加」というような文言を追加しておく必要があります。
こういったルールに従っていない自筆証書遺言は無効になる可能性が高いでしょう。
 

遺言能力を有さない方が自筆証書遺言を作成した

民法963条では「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有していなければならない」と規定されています。
「その能力」とは有効な遺言を行える意思能力のことをいいます。
自筆証書遺言を作成したものの、それがどのような結果をもたらすのか理解できない状態が意思能力に欠く状態です。
たとえば認知症やさまざまな疾病による認知機能の低下などで、日用品の買い物等の契約行為が難しい状態が想定できます。
このような状態の方が作成した自筆証書遺言は無効となるおそれがあります。
ただし認知症と診断されていたとしても理解力があると判断されれば自筆証書遺言は有効となります。
 

15歳未満の方が自筆証書遺言を作成した

遺言書を作成することができる年齢は、民法961条によって「15歳以上」と定められています。
したがって、15歳未満の方が作成した自筆証書遺言は無効です。
 

遺言の内容が明確になっていない

自筆証書遺言の文章に決まった書式はありませんが、「誰に」「何を」「どうするのか」が明確になっている必要があります。
「長男 太郎に○○銀行の預金5000万円を相続させる」
「長女 華子に○○証券会社に預けてあるすべての株式を遺贈する」
このような記載であれば問題ありません。
しかし以下のような文言の自筆証書遺言は無効になるおそれがあります。
「長男と長女に財産を任せる」
これでは誰にどの財産をどれだけ相続させたいのかわかりません。
また「任せる」という言葉は、相続させる、遺贈させるといった意思があるかどうか判断できません。
 

○公正証書遺言が無効になる場合

公正証書遺言は、公証役場で公証人とともに作成する遺言書であるため、記入方法の誤り等によって無効になる可能性はほとんどありません。
しかし以下に該当するケースでは公正証書遺言が無効になるおそれがあります。
 

  • ・公正証書遺言作成に立ち会う2人の証人が不適格であった
  • ・遺言者が遺言能力を有していなかった
  • ・遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授、もしくは自書にて伝えられなかった
  • ・遺言の内容が公序良俗に違反している

 
この中で発生する可能性が高いものは遺言能力がないことによる遺言書の無効です。
「本人が認知症等で理解能力が乏しい状態であるにも関わらず、家族や親族等が公証役場に連れて行き公正証書遺言を作成した」というようなケースが想定されます。
 

○秘密証書遺言が無効になる場合

秘密証書遺言とは作成した遺言書を公証役場に持参し、証人と公証人の署名押印してもらうことで「この遺言書は本人が作成したものである」と明確にする遺言書です。
秘密証書遺言の中身は公証人や証人に確認されることはありませんので、遺言書の中身を相続人等に知られるリスクがありません。
ただし以下のケースでは秘密証書遺言が無効となるおそれがあります。
 

  • ・秘密証書遺言に年月日が記載されていない
  • ・遺言書の内容が曖昧な
  • ・遺言者が遺言能力を有していない
  • ・訂正や削除のルールが誤っている
  • ・複数の人間で遺言書を作成している
  • ・遺言者の署名・押印がない

 
秘密証書遺言は、自筆証書遺言とは異なり手書き、自筆である必要はなく、代筆やパソコンによる作成も認められています。
しかし上記の6点については自筆証書遺言と同様に無効になるおそれがあります。
 

遺言が無効であると主張する場合に行うべきこと

いずれの方式の遺言書も先述したようなケースに合致する場合には、その遺言書が法的に無効であるおそれがあります。
しかしながら遺言書が無効であったとしても、その内容通りの相続に、相続人全員が納得していれば問題はありません。
問題となるのは、相続人が遺言書に記されている内容に納得せず全員の同意が得られない場合です。

この場合、遺言書の内容に疑問を抱いた相続人が遺言無効確認訴訟を提起する必要があります。
遺言無効確認訴訟の手順は以下の通りです。
 

遺言無効確認の調停を申し立てる

相続に関する争いごとは、訴訟を提起する前に調停を申し立てる必要があります。
これを調停前置主義といいます。
調停では家庭裁判所の調停委員を介して話し合いを行います。
調停で相手方の合意が得られれば和解となります。
 

遺言無効確認訴訟を申し立てる

調停が不成立であった場合には、遺言無効確認訴訟を提起することになります。
遺言無効確認訴訟は、家庭裁判所ではなく地方裁判所または簡易裁判所に申し立てます。
 

「この遺言書は無効では?」と疑問が生じた場合は弁護士にご相談を

自筆証書遺言や公正証書遺言、秘密証書遺言の内容が法的に無効なのでは? と疑問が生じた場合は、すぐさま調停を申し立てる野ではなく弁護士にご相談ください。
弁護士が問題となっている遺言書を確認した上で、それが無効である可能性について検討いたします。
その上で、無効な遺言書である可能性が高いと判断した場合には、他の相続人との交渉を行います。
弁護士が交渉にあたることで、調停や訴訟に至る前に解決できるケースも少なくありません。

相続問題の
無料相続のご予約。

まずはお気軽に
お問い合わせください