初回相談無料

[まずはお気軽にご電話ください]

 03-6424-8328

平日:9:00〜21:00

メールでの相談予約随時受付

別居後に預貯金の増減があった場合の財産分与の額は?

1 はじめに

財産分与における基準時の問題は、以前のコラムでお話ししました(詳しくはこちら)。

 

離婚に先行して夫婦が別居している場合において、別居時点で当事者名義の預貯金が存在するとき、別居時の残高が分与対象となるのが原則です。

 

その一方で、別居が長期化している場合、別居時と現時点とで預貯金残高が変動(増減)していることもよくあります。その場合、どの時点の残高をもって財産分与の対象とするべきでしょうか?

 

2 別居時より増加している場合

以前のコラムでお話ししたとおり、別居が先行している場合、対象財産確定の基準時は「別居時」となります。

これは、別居した夫婦は別々に経済生活を営むのが通常であり、別居時点をもって夫婦間の「経済的な共同関係」が消滅すると考えられるからです。

 

この考え方でいくと、別居後に夫婦の一方(あるいは双方)の預貯金残高が増えていたとしても、その増加分は夫婦間の共同関係で築いた財産とは言えず、各々の経済活動で得た財産ということになります。

 

したがって、別居後にどちらか一方の預貯金残高が増加していたとしても、増加後の残高は財産分与の対象にはならず、別居時の残高の限度で対象になると考えられます。

 

3 別居時より減少している場合

減少している場合も、基本的には増加している場合と同じで、別居後の預貯金の変動は夫婦間の経済的な共同関係を前提としないため、別居時の残高を対象とするのが原則です。

 

ただし、預貯金が減少している場合は、減少している原因がなにかという点で結論が変わる可能性があります。

 

(1)減少の原因が子どもの生活費や教育費である場合

別居後子どもの入学金や授業料などが発生したため、監護親が預貯金でもってこれらを支払ったような場合、仮に夫婦が同居していれば夫婦共有財産から捻出したであろうと考えられます。

そのため、こういった場合には減少後の残高を対象にして財産分与することが考えられます。

 

(2)減少の原因が遊興費や趣味への支出である場合

この場合は(1)の場合と逆で、夫婦共有財産から捻出すべきものとは言えないため、減少分は考慮されず、原則どおり別居時の残高が対象になると考えられます。

 

 

 

 

その他のコラム

浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料の相場はいくら?請求方法も解説

配偶者が浮気・不倫(不貞行為)をしていた場合、された側は、その配偶者と不倫相手に対して慰謝料請求を行うことができます。 慰謝料の相場は50万円から300万円と幅が広く、離婚するか、婚姻関係を継続するかにより大きく異なります。 浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料の相場が変動する要因や慰謝料の方法なども解説します。   慰謝料を請求できる不貞行為とは? 配偶者が浮気・不倫した場合は、配偶者及び不倫相手に対して慰謝料...

離婚・不倫の慰謝料請求には消滅時効がある?時効期間・起算点・時効の完成猶予・更新について解説

離婚、不倫、不貞行為の慰謝料請求には3年または20年の消滅時効があります。 消滅時効の期間が過ぎてしまうと慰謝料を請求できなくなるため、期限までに請求する必要があります。 また、時効期間が迫っているため時効を中断する必要がある場合は、弁護士に依頼し、訴訟を提起する等の手続を行いましょう。 離婚、不倫、不貞行為の慰謝料を時効成立前に確実に回収するための方法について解説します。   離婚時に慰謝料請求をするケー...

養育費不払いに対する対応(第三者からの情報取得手続)

1 はじめに 前回のコラム(民事執行法上の財産開示手続)はこちらです。   今回は、民事執行法の改正によって創設された第三者からの情報取得手続(改正民事執行法204条以下)についてお話しします。   2 民事執行法改正の背景 公正証書や離婚調停調書で約束した養育費が支払われない場合、権利者としては強制執行を考えることになります。 ですが、これまでの強制執行では、原則的に義務者の...

当てはまったらDV?証拠になるものや集め方を弁護士が解説!

DVは身体的暴力だけでなく、精神的・経済的・性的な支配も含まれます。本記事ではDVの種類や証拠となるもの、証拠の集め方について詳しく解説します。離婚や慰謝料請求、親権獲得に向けては弁護士に相談するのが重要です。   家庭内で暴力を受け続けると、逃げることも相談することも難しくなり、誰にも打ち明けられないまま苦しみます。 DVは身体的な暴力だけではなく、精神的な圧力や経済的な支配、性的強要などさまざまな形で行われ...

離婚届の様式見直し -養育費に関する取決めの公正証書化の確認へ-

1 様式見直しの概要 令和3年4月16日、法務大臣は、離婚届の様式を近く見直し、子どもの養育費に関する取決めを公正証書にしたかどうかを確認するチェック欄を追加することを明らかにしました。   これまでの離婚届にも、面会交流及び養育費に関する取決めの有無についてのチェック欄は設けられていました。すなわち、「養育費の分担について取決めをしている」か、「まだ決めていない」のどちらかにチェックをつけるというもの...

離婚・男女問題無料相談ご予約。
まずはお気軽にお問合せください

初回相談無料  03-6424-8328

平日:9:00〜21:00

お問い合わせ