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調停離婚

調停離婚とは?

調停離婚とは、夫婦のどちらか一方が家庭裁判所に離婚調停を申し立て、調停委員会を通じて双方で協議をし、合意による離婚成立を目指す方法です。

話合い、すなわち夫婦間の合意を目指すという点で協議離婚と共通し、家庭裁判所(調停委員会)を通じて双方が協議するという点で協議離婚と異なります。

調停離婚が成立した場合、後日家庭裁判所から調停調書(離婚調書)をいう書類が届きます。これがあれば、離婚届に夫婦双方で署名捺印する必要はなく、離婚届を提出する人の署名捺印さえあれば、受理されます。

離婚調停の概要

離婚調停で夫婦の間を取り持つのは、裁判官1名と調停委員2名からなる調停委員会です。もっとも、裁判官は多数の案件を同時に抱えているため、調停の成立や不成立などの重要な局面でのみ現れるのが通常です。基本的には調停委員2名が双方の主張を整理したり、解決案の提示を行います。
また、子供に関する監護権や面会交流が主たる問題となる場合、家庭裁判所調査官が調停の場に同席することもあります。調査官は、監護権や面会交流など、子供の監護に関する事項が問題となる場合に、保育園や学校などの関係者に聞き取りを行うなど、必要な調査を行う立場にあります。家庭裁判所での実務では、この調査官が作成する調査報告書の重要性が高いと考えられています。
通常、離婚調停は、調停の申立てがされた後、1~2ヶ月に1回のペースで進んでいきま
す。
おおむね20分~30分の範囲で、申立人と相手方が交代で話をしていきます。お互いの主張で対立する点はどこか、話を進めるために準備すべき書類は何か、お互いの主張を受けて、話合いでの解決のために譲歩・妥協できる点はないか、といったことを中心に話し合っていくことになります。

調停離婚のメリット

  • ・公平な第三者である裁判所を介した話合いであり、かつ、裁判(訴訟)になった場合の見込みも前提とするため、離婚協議が進展しなかった事案でも、話が進展する可能性があります。
  • ・法律や家庭裁判所の実務を前提とした話合いにはなりますが、当事者間の合意がある限り、必ずしもこれらに縛られない柔軟な解決が可能です。
  • ・話合い(合意)の手続きであるため、判決に比べ、夫婦双方ともある程度納得した形での離婚が望めます。
  • ・裁判離婚(特に判決離婚)で長引く場合に比べて、早期に離婚できることになります。

調停離婚のデメリット

  • ・離婚調停の期日が重なれば重なるほど、解決までの時間を要することになり、協議離婚が成立する場合に比べて、時間がかかることになります。調整すべき事項が多いといった事案では、解決(調停成立)まで1年以上の時間を要することもあります。
  • ・離婚訴訟と異なり、夫婦の一方が調停を欠席した場合でも、それだけで不利になるということは基本的にありません。それどころか、夫婦の一方が連続して欠席する場合、話合いが進まないということで、調停不成立になる可能性が高まります。
  • ・調停の本質は話合い(合意)であるため、双方が出席していても、最終的に夫婦間で離婚条件について折合いがつかなければ、調停離婚は成立せず、不成立に終わります。

さいごに

昨今、日本では離婚件数が非常に増えているのが現状ですが、その内の多くは、協議離婚と調停離婚です。
離婚調停においては、弁護士を立てないまま対応したところ、調停委員から強めに説得されたために、自分の意見を言いたくても言えない(言いにくい雰囲気である)というお悩みもよく聞きます。そのような時は、一人で悩まず、弁護士に相談することをお勧めいたします。
当事務所では、調停離婚の解決実績も多数ございます。詳細は、解決事例のページをご覧ください。

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