依頼者である女性は、同じ職場で働く男性と男女交際していたところ、ある時、子を妊娠していることが分かりました。依頼者と当該男性の間に法律上の婚姻関係は無く、その子は婚外子でしたが、依頼者は、その子が当該男性の子であることを確信しました。依頼者が当該男性に対して妊娠の事実を告げたところ、一時は、当該男性も一緒に子育てを頑張っていくという話になったことから、依頼者は出産を決意しました。ところが、子を出産後、一向に当該男性から認知をしてもらえず、挙句の果てに、連絡もつかない状態となってしまいました。そのため、当該男性の対応に怒りを感じた依頼者より、弁護士にご相談を頂きました。
婚姻をしていない男性との間に生まれた子につき、女性(依頼者)から当該男性に対して認知及び養育費の請求を行ったところ、子と当該男性の生物学的父子関係がほぼ100%認められることを背景に、養育費の一括払いがなされたケース
ご相談の概要
解決に向けた活動
依頼者から話を伺う限り、子供の生物学上の父親は交際相手の男性で間違いないということでしたので、相手方の連絡先や住所を調査した上で、当該男性に対し、認知及び養育費の請求を行いました。当方からの請求を受け、当該男性にも弁護士が就き、DNA型鑑定を実施することを提案されました。当方で鑑定を断る理由もなかったことから、当該男性の費用負担において、DNA型鑑定を実施しました。その結果は、子供と当該男性との間の生物学上の父子関係が99.99%認められるというものでした。これにより、依頼者が生んだ子は、当該男性の子であることが明らかとなりました。
その後、子供の養育費に関する協議となりました(当該男性より、子供の面会交流の希望は特に出されませんでした。)。依頼者は、養育費が長期の分割払いとなることで、途中で支払いがされなくなることを懸念していました。そのため、分割払いで未納なく支払いがされる場合によりも金額は下がりますが、養育費の一括払いを請求しました(請求金額は数百万円)。これに対し、当該男性は、合意した金額で一括払いをした後は、養育費を請求しないという約束が交わされるのであれば、養育費の一括払いに応じると回答しました。依頼者がこの内容を承諾したことから、弁護士間で示談書を作成し、取り交わしを行いました。
認知及び養育費請求の通知をしてから示談成立に至るまで、約6ヶ月での解決となりました。
解決のポイント
法律上の父子関係を確認するための手段として、DNA型鑑定が最も基本的かつ重要な手段と考えられています。本件においてもDNA型鑑定を実施した結果、父子関係の裏付けが得られたことにより、その後の養育費の交渉が進展しました。
養育費については、月々の分割払いが原則であり、一括払いという例は多くありません。本件では、養育費の総額やその他条件で当事者双方の折合いがついたことから、養育費の一括払いが実現しました。養育費の一括払いについては、将来の未払いのリスクを回避することができるというメリットがありますが、将来の事情の変動で追加を請求したくても、当該請求が否定される可能性があるというデメリットもありますので、慎重な判断が必要です。
婚外子については、認知や養育費等、子供のためにすべき手続がありますので、対応にお困りの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。
その他の解決事例
夫が複数の女性と不貞に及んだ事案で、妻(依頼者)から離婚調停を申し立て、親権は母、養育費の支払い、自宅不動産の財産分与を受ける等の内容で調停離婚が成立したケース
不貞慰謝料別居婚姻費用親権財産分与離婚面会交流養育費依頼者(妻・兼業主婦)と夫は、婚姻歴7年程の夫婦であり、子供が1人(長男5歳)いました。
依頼者は、夫の不貞を疑い、探偵をつけて調査したところ、複数の女性と肉体関係に及んでいることが判明しました。夫婦で話した結果、夫が出ていくことになり、依頼者は離婚を求めましたが、夫は復縁を求めました。
今後離婚の話になったとして、条件面でこじれる可能性もあるということで、ご相談を頂きました。
夫が妻(依頼者)以外の女性と不貞に及び、別居している状況で、妻側代理人として介入し、協議離婚が成立したケース
不貞慰謝料親権離婚養育費依頼者(妻・40代・公務員)と夫(40代・公務員)は、婚姻期間15年を超える夫婦であり、子どもが1人(13歳)いました。
夫が依頼者以外の女性と不貞関係に及んでいることが分かり、夫が出ていく形で別居となりました。別居後、依頼者と夫の間で離婚すること及び親権者を依頼者とすることは合意しましたが、それ以外の条件については決まっていませんでした。思春期である子どもは、父親が不貞していることを知り、精神的にショックを受けました。
子どものためにも、しっかりと約束事を決めて離婚したいということで、ご相談を頂きました。
婚姻をしていない男性との間に生まれた子につき、女性(依頼者)から当該男性に対して認知及び養育費の請求を行ったところ、子と当該男性の生物学的父子関係がほぼ100%認められることを背景に、養育費の一括払いがなされたケース
男女問題認知養育費依頼者である女性は、同じ職場で働く男性と男女交際していたところ、ある時、子を妊娠していることが分かりました。依頼者と当該男性の間に法律上の婚姻関係は無く、その子は婚外子でしたが、依頼者は、その子が当該男性の子であることを確信しました。依頼者が当該男性に対して妊娠の事実を告げたところ、一時は、当該男性も一緒に子育てを頑張っていくという話になったことから、依頼者は出産を決意しました。ところが、子を出産後、一向に当該男性から認知をしてもらえず、挙句の果てに、連絡もつかない状態となってしまいました。そのため、当該男性の対応に怒りを感じた依頼者より、弁護士にご相談を頂きました。
別居間もない状況で夫が離婚に否定的な状況で、妻の代理人として介入し、親権者を妻と指定し、公正証書で養育費の支払いの約束も取り付けた上で協議離婚が成立したケース
別居婚姻費用親権財産分与離婚離婚時年金分割養育費依頼者(妻・40代・兼業主婦)と夫(40代)は、婚姻期間13年を超える夫婦であり、小学校低学年の子ども(長男)がいました。
依頼者が考える主な離婚理由は、夫の就労意欲の欠如でした。すなわち、家族がいる状況でお金(生活費)が必要な状況であるにもかかわらず、事前の相談もないまま夫が仕事を辞め、その後も定職に就かないまま不規則な生活を続けたことから、夫に対する愛想が尽き、依頼者が子どもを連れて別居しました。
別居するに際して、夫は、生活費(婚姻費用)は払わない、離婚には応じたくないなど主張していたことから、離婚協議について弁護士に対応を依頼したいということになりました。
生後数か月の子供がいる状態で別居となり、妻から夫に対して離婚請求をしたところ、夫は離婚拒否、離婚するなら親権を取りたいと主張していたところ、弁護士による代理協議の結果、妻を親権者とする内容で協議離婚が成立したケース
別居親権離婚養育費依頼者(妻・30代・専業主婦)と夫は、婚姻期間1年未満の夫婦であり、婚姻して数か月後に子供(男の子)が生まれました。しかし、子育ての分担に関して夫婦間で見解の相違が生じたことや、喧嘩となった際、夫が依頼者を罵るような言動に及んだこと、夫の実家で同居生活をするのか否かで見解が対立したなどの理由により、夫婦仲が険悪となり、依頼者が子供を連れて依頼者の実家に帰る形で別居となりました。
別居後、夫は、戻ってきてほしい、離婚したくないということを訴えていました。しかし、依頼者は、離婚の意思が固く、離婚に向けて進めていきたいということで、ご相談を頂きました。