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その他の男女トラブル

非嫡出子(婚外子)と認知・養育費請求

よくあるご相談内容として、交際している男性の子供を妊娠し、出産したものの、その男性が認知をしてくれず、養育費も払ってくれないというものがあります。

交際関係にあるものの、法律上の婚姻はしていない状態で子供が生まれた場合、その子供は非嫡出子(婚外子)と言います。
非嫡出子は、血縁上の父親と生物学的な結びつきはありますが、法律上の親子関係は存在しないため、そのままでは扶養義務に基づく養育費の支払いを求めることができません。

この非嫡出子と生物学上の父親の間で法律上の父子関係を生じさせるのが、認知です。

認知には、任意認知と強制認知があります。
父親である交際相手の男性が認知に協力的であれば任意認知が可能であり、認知届を提出することによって、認知の効果が生じます。なお、胎児の場合であっても、母親の承諾があれば、認知することができます。
父親の協力が得られない場合、家庭裁判所の認知調停又は認知訴訟によって、法律上の父子関係の形成を求めることになります。法律では、いきなり認知訴訟ではなくまず認知調停を申し立てることが必要とされています。

認知調停や認知訴訟の場面では、子供と男性の間の血縁的父子関係について、DNA型鑑定を実施して確認するケースが多いです。ほぼ100%の確率で血縁的父子関係が認められるとの鑑定結果が出れば、認知がされる可能性が飛躍的に高まります。

しかし、男性側がDNA型鑑定を頑なに拒否したり、男性が家庭裁判所に出頭しない等の理由により、DNA型鑑定を実施できないという場合もあります。その場合、妊娠した時期に母親と男性の間で性的交渉があったこと、その男性以外の男性との性的交渉がなかったこと、血液型が矛盾しないこと、男性が認知的言動(父親らしい言動)をしていることなどの間接的な事情を積み重ねることにより、子供と男性の間の血縁的父子関係を証明することが必要となります。

任意認知あるいは認知調停、認知訴訟によって認知が認められた後に、法律上の父親である男性に対し、養育費の請求を行うことになります。認知調停の申立てと同時に養育費請求の調停を申し立てることはできません。

養育費の詳細については、こちらのページをご覧下さい。

交際している男女間の貞操権侵害に基づく慰謝料請求

よくあるご相談内容として、男性から独身だと説明されたので交際したにもかかわらず、実は結婚していたため破局となったときに、その男性に対して慰謝料を請求できるかというものがあります。

法律上の婚姻関係でなく、内縁や婚約関係でもない男女関係は、たとえ浮気をされたり、一方的に関係を解消されたとしても、基本的に慰謝料を請求できる法的根拠がないため、認められません。
しかし、この場合でも、貞操権が侵害されたと評価できる場合には、慰謝料請求が認められる可能性があります。

貞操権とは、性的な関係を結ぶか否か、誰と結ぶかについて自分で選ぶことができる権利をいいます。性的自己決定に関する権利とも言えます。
貞操権侵害とは、相手方の嘘などによってだまされ、正しい性的自己決定ができない状態のことを言います。

上記ご相談内容のように、男性が既婚であるにもかかわらず独身だと嘘をついて肉体関係を結んだ場合や、結婚する気がないのに結婚に前向きであるかのように装って肉体関係を結んだ場合、女性が男性から中絶を求められ堕胎せざるを得なくなった場合には、女性から男性に対する慰謝料請求が認められる可能性があります。

ただし、貞操権侵害を理由に既婚男性に対して慰謝料を請求した場合、この請求をきっかけとして当該男性の妻が不貞の事実を知り、妻から不貞慰謝料請求がされる可能性がありますので、注意が必要です。

不貞慰謝料請求された方については、こちらのページをご覧ください。

交際関係、性的関係にある相手方からの過大請求、不当請求

よくあるご相談内容として、別れた交際相手から多額の慰謝料や借金の返済、物品の返還を求められたり、肉体関係をもった女性から子供の養育費等の名目で多額の金銭を請求されて困っているというものがあります。

法律上の婚姻関係がなく、内縁や婚約関係でもなく、貞操権侵害といった事情もない場合、相手方の請求内容が金銭消費貸借契約や不法行為など、民法上の根拠がある請求か否かを検討します。

検討の結果、その請求が法的根拠に基づくものではない場合、それは過大請求や不当請求である可能性が高くなります。

こうした過大請求や不当請求は、当事者間の事実上の力関係(請求者の方が強く、被請求者の方が弱い立場)に基づいて請求されていることが少なくありません。
そのような場合、弁護士がご本人の窓口となり、法的根拠によらない請求には応じられないといった毅然とした対応を取ることにより、事態が収束することもあります。ですので、言われもない請求でお困りの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。

さいごに

非嫡出子の認知、養育費請求や、貞操権侵害による慰謝料請求については、請求の相手方から蔑ろにされ、泣き寝入りとなることが少なくありません。また、過大請求や不当請求については、強い口調で請求されることにより、断りたくても断れない状況に追い込まれてしまうというケースが見受けられます。
いずれの場合も、弁護士が窓口となることにより、困難な局面を打開し、解決に向かって話が進んでいくことが期待されますので、お悩みの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。

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