依頼者(夫・30代・会社員[調理師])と妻は、婚姻歴5年弱の夫婦であり、子供が1人(長男2歳)いました。依頼者と妻は2人で夫婦生活を送っていましたが、同じ県内に妻の実家があり、比較的帰省は容易な状況でした。妻が子供を妊娠し、出産することになって以降、妻は頻繁に実家に帰り、妻の両親の援助を受けるようになりました。依頼者は、仕事の都合で県外に行くこともあり、妻の実家に援助を求めることもしょうがないと感じていましたが、次第に、実家依存症ではないかと思う程、妻は実家にいるようになりました。そして、ある時、妻から依頼者に対し、依頼者と住んでいた家には戻りたくない、このまま実家で生活すると告げられ、実家帰省のはずが、そのまま別居となりました。
依頼者は妻に対し、何度も、子供と一緒に戻ってきてほしいとお願いをしましたが、実家にいる方が安心だから等の理由で応じてもらえませんでした。依頼者はあくまでも関係修復(円満)を求めていましたが、妻の気持ちが変わる気配が全くなかったことから、この状態では婚姻関係を続ける意味がないとして、ご相談を頂きました。
子供が生まれたことをきっかけとして妻が実家に依存するようになり、別居となった事案において、夫から離婚調停を申し立て、将来における減収や妻の潜在的稼働能力を踏まえて養育費が算定されたケース
ご相談の概要
解決に向けた活動
離婚協議から着手することも考えましたが、実家に戻った後の妻の反応が非常に遅いと伺ったことから、最初から離婚調停を申し立てることにしました。
離婚調停においては、調停離婚、親権、面会交流、養育費を申立て内容としました。親権については、子供が妻の実家で生活しており、主たる監護者は妻であったことから、争うことはしませんでした(その代わり、面会交流を求めました)。養育費については、基本的に算定表を基礎としつつ、離婚によって依頼者は扶養手当を受け取れなくなり減収となること、申立て時点において妻は専業主婦であるものの、子供の年齢等からしてパート収入程度の稼働能力は有すること等を踏まえた上での金額とすることを希望しました。
申立て前、妻は実家で生活することを強く希望していましたが、その一方で離婚することについては必ずしも判然としませんでした。妻にも弁護士が介入しましたが、離婚には応じる、面会交流は月1回程度であれば構わない、養育費についても、早期解決のため、将来の減収等の事情を考慮した上での金額とすることも吝かでない、但し、仮に子供が大学に進学した時は、養育費の終期は22歳に達した後の3月までにしてほしい、という回答でした。養育費の終期について、見解の相違はあったものの、月々の養育費の額について、依頼者の減収や妻の潜在的稼働能力の主張が受け容れられたことから、調停成立が具体的なものとなりました、期日間に、弁護士同士で調停条項の内容を整理し、期日前に依頼者に内容を確認してもらい、了承をいただきました。妻の内容に了承したことから、事前に打ち合わせした内容どおりに、調停離婚が成立しました。
解決のポイント
実家依存症が破綻原因であることは度々耳にします。子供を妊娠し、里帰り出産をするような時に、実家依存となることが比較的多いようです。
養育費や婚姻費用については、算定表によって算定するのが家庭裁判所の扱いですが、個別の事情によって、標準額からの増減の余地が生じることがありますので、養育費・婚姻費用でお悩みの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。
その他の解決事例
夫(依頼者)が不貞をしたとして、妻から夫に対して500万円以上の慰謝料請求がなされるとともに、夫からの離婚請求が拒否されている状況において、弁護士介入による交渉の結果、150万円に減額した上で、協議離婚も成立したケース
不貞慰謝料離婚依頼者(夫)と妻は、婚姻歴約5年の夫婦であり、子供はいませんでした。夫婦は共働きでしたが、依頼者の方が就労時間が長かったため、家事については妻が中心として行うという役割分担でした。しかし、その役割分担に関する認識や、家事としてどこまでやるべきかという認識の面で、夫婦間で見解の相違が生じ、喧嘩が増えました。ある時、家事を巡って再び夫婦間で喧嘩が勃発し、その流れで妻が出て行く形で別居となりました。それから間もなく、弁護士を通じて、妻より、依頼者が別居直後に別の女性と不貞に及んでいたとして、500万円以上の慰謝料が請求されました。また、依頼者は妻との離婚を希望していたところ、妻は、依頼者の誠意ある対応がない限り離婚に応じないという態度でした。
妻に弁護士が就いたということで、こちらも弁護士代理で対応したいということで、ご相談をいただきました。
婚姻40年超えの夫婦が、離婚協議が進展しないまま長期の別居状態続いている場合において、妻の代理人として弁護士介入した後、協議が進展し、協議離婚が成立したケース
財産分与離婚離婚時年金分割依頼者(妻・60代・専業主婦)と夫(70代)は、婚姻期間40年を超える夫婦であり、子供(長女)が1人いました。長きにわたる婚姻期間において、夫の自己中心的な性格、依頼者や長女に対する無関心さ等を理由として、夫婦間での愛情・信頼関係が喪失しました。その結果、依頼者が単身で家を出る形で別居し、夫婦別居の状態が10年以上続きました。依頼者は、一貫して離婚を求めていましたが、夫はまともに取り合ってくれなかったことから、離婚協議は進展しませんでした。
そこで、弁護士が介入することで、停滞している離婚協議を進めたいというご希望を頂き、ご依頼となりました。
夫が妻(依頼者)の不貞を疑い、慰謝料を請求するとともに離婚に消極的であったが、慰謝料を減額した上で調停離婚が成立したケース
不貞慰謝料財産分与離婚依頼者(妻・30代・自営業)と夫(30代・会社員)は、婚姻期間3年を超える夫婦であり、子どもはいませんでした。依頼者は自営で飲食店を営んでおり、義母(相手方である夫の母親)に店の手伝いをしてもらっていました。しかし、義母の言動や関係性を巡って諍いが起こり、これに伴い夫との関係も悪化しました。一旦は関係の修復を試みましたが、修復には至らず、依頼者が家を出る形で別居しました。
別居後、依頼者は夫との離婚を希望しました。これに対し、夫は、弁護士を立てた上で、別居前からの依頼者の不貞を主張して慰謝料を請求するとともに、離婚に否定的な姿勢を示しました。
そこで、こちらも弁護士をということで、ご依頼を頂きました。
依頼者である妻から夫の不貞相手である女性に対する慰謝料請求訴訟を提起し、主張・立証を尽くした結果、夫婦同居生活が続いている状況であったものの、慰謝料150万円の賠償をうける内容で和解となったケース
不貞慰謝料依頼者(妻・50代・専業主婦)と夫の間には子供が3人(長女、長男、二男。長女は婚姻により既に自立)おり、長男及び二男とともに家族4人で生活していました。ある日、依頼者は、自宅内で、夫を被告とする裁判記録があることを発見しました。その内容を見たところ、夫は、数年にわたり外国籍の女性と不貞関係にあり、その女性との間に、認知した子がいることが判明しました。その後、夫の携帯電話を確認したところ、その女性とのメールで卑猥なやり取りがされていることも明らかとなりました。
依頼者は、数年に及ぶ不貞の事実に加えて、その女性との間に認知した子がいることに愕然としました。依頼者は、不貞行為許すまじということで、不貞相手の女性に対して慰謝料を請求するべく、ご相談を頂きました。
長年内縁関係が続いた後、夫の入院をきっかけとして妻(依頼者)に対して内縁関係の解消が求められたため、財産分与等を求めて交渉を行った結果、内縁関係の解消に伴う解決金として夫から1800万円の支払いを受けるとともに、同居していた家について相当期間の明渡猶予を認める内容で合意したケース
内縁関係慰謝料男女問題財産分与依頼者(60代女性)と相手方の男性は、十数年にわたって内縁関係(事実婚関係)にあり、依頼者は、当該男性が賃借人の物件に住み、依頼者の家族も交えた交流をしていました。しかしある時、当該男性は体調不良を訴え、当該男性の実家に一時戻りました。その後当該男性は入院することになりましたが、当該男性の兄妹の思惑等もあり、一切会うことができなくなってしまいました。
依頼者は当該男性との内縁関係の継続を希望し、入院している当該男性と面会したいということで、ご相談を頂きました。