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婚約破棄するための正当な理由とは? 婚約を不当に解消された時の慰謝料の請求方法や相談先も解説

目次

婚約破棄には正当な理由が必要です。婚約とは将来結婚する約束のことで法的に保護されているからです。一方的な破棄で正当な理由がないケースでは、慰謝料が発生します。婚約破棄された場合の対処法や慰謝料の相場、請求方法について解説します。
 

婚約破棄するためには正当な理由が必要? 対処法や慰謝料の相場、請求方法も解説

婚約破棄するためには正当な理由が必要です。
婚約には法的な効力が認められているため、有効な婚約が成立したにも拘らず婚約を不当に破棄した場合は、相手から慰謝料や損害賠償を求められます。
一方、婚約破棄された場合は、正当な理由を相手が主張してきて、それが認められれば、慰謝料や損害賠償ができなくなる可能性があります。
婚約破棄するための正当な理由とは何か? 正当な理由を主張するための事実や証拠、慰謝料の相場、請求方法も解説します。
 

婚約は法的に有効なのか?

婚約、つまり、婚姻予約は、法的に保護されるのでしょうか?
婚約について民法上には規定はありませんし、これについて特別な定めを設けた法律もありません。
そのため、婚約しただけでは、法的な保護は受けられないと思われるかもしれませんが、大正時代に「婚姻予約は適法・有効であり、正当の理由なく婚姻予約に違反した者は損害賠償義務がある」という判決(大連判大正4年1月26日)が出されて以来、婚約には法的効力があることが明らかになっています。
 

婚約破棄した場合はどうなるか?

例えばA男性とB女性の間で、有効な婚約が成立したにも関わらず、A男性が婚約を破棄したとしましょう。
この場合、B女性はA男性に対して、B女性が被った精神的苦痛についての慰謝料や経済的な損失の損害について賠償請求を行うことができます。
 
ただし、B女性が損害賠償請求を行うには、次の2つの要件をクリアする必要があります。
 

  • ・有効な婚約が成立していると言えること。
  • ・婚約破棄が不当な(正当な理由がない)ものであること。

 
B女性が婚約したものだと一方的に思い込んでいただけだったら、慰謝料請求や損害の賠償請求を行うことはできません。
第三者から見ても、A男性とB女性の間で有効な婚約が成立したと言える事例でなければなりません。
また、A男性から婚約破棄しても、そのことに正当な理由があると言えるような事例でしたら、やはり、B女性が慰謝料請求や損害の賠償請求を行うことはできません。
 

有効な婚約が成立しているかどうかの判断基準

婚約は、婚姻届の提出と異なり、はっきりと示す証拠がない事が多いだけに、有効な婚約が成立しているかどうかの判断が難しいことも少なくありません。
婚約が成立していると言えるのはどのようなケースか解説します。
 

婚約が成立する時とは?

婚約とは婚姻予約のことです。将来、婚姻届を提出するなどして、夫婦やパートナーと言える関係を築きたいと思っている二人がその約束を交わすことです。
契約書のような正式な書類を交わしていなくても口頭でも成立します。
メールやライン等でそうしたやり取りを交わしていれば、それが一つの証拠になることもあります。
 

婚約の成立を法的に証明できる事実や証拠

法律上は、婚姻は当事者の合意のみに基いて成立します。
婚約も同様に解することができるので、婚約者の親族に知らせたかどうかは無関係です。
ただ、実際には、婚約した場合は婚約者同士の両親や親族とも顔合わせを行うのが慣例となっており、これを以って、婚約が成立したと考えられるのが一般的です。
 
婚約の成立を示す事実としては次のようなものが挙げられます。
 

  • ・お互いの両親に挨拶し、顔合わせを行ったこと。
  • ・お互いの友人や親族に婚約したことを知らせたこと。
  • ・結納が行われたこと(結納金の受け渡し等)。
  • ・結婚指輪を購入し受け渡しを行ったこと。
  • ・結婚式の準備をし、出席者にも知らせたこと。
  • ・結婚式場で予約をしたこと。
  • ・新婚旅行の予約をしたこと。
  • ・新居の契約や引っ越しの準備を始めたこと
  • ・婚約者が妊娠したこと。

 
こうした事実があった場合は、婚約が二人だけの口約束から公のものになり、婚約が法的にも有効に成立したものと判断しやすくなります。
相手方が婚約は成立していないと主張しても、第三者の証言から婚約の有効性を主張しやすくなります。
 
また、こうした婚約の証拠としては次のようなものがあります。
 

  • ・結納金の支払いのために引き出した通帳の記録や結納品の領収書
  • ・結婚指輪を購入した時の領収書やその現物
  • ・結婚式の案内文やその送付者リスト
  • ・結婚式場で予約した時の契約書等
  • ・新婚旅行の予約をした時の契約書等
  • ・新居の賃貸借契約書や売買契約書

 
こうした証拠があれば、第三者の証言が得られない場合でも婚約の有効性を主張しやすくなります。
 

婚約が成立したと言えない場合

婚約は口頭でも成立するのが建前ですが、実際には口約束だけでは、婚約を有効と判断するのは難しいのが実情です。
婚約の口約束だけで、交際が続いていてもその後、具体的な行動が何もない場合は、残念ながら、有効な婚約とは言えません。
特に「将来結婚しよう」という漠然とした約束は将来について責任を持った発言とは言えず、婚約とは言えません。
また、一見すると有効そうな婚約でもその時点で、相手に配偶者がいるような不倫関係の場合は、そもそもそのような約束は公序良俗に反して無効になります。
 

婚約破棄が不当な(正当な理由がない)ものかの判断基準

婚約破棄を理由として慰謝料を請求するためには、その婚約破棄が不当な(正当な理由がない)ものでなければなりません。
つまり、第三者が見ても、婚約破棄の理由としてはおかしいと言えるような内容という意味です。
 

不当な(正当な理由がない)婚約破棄の理由

不当な(正当な理由がない)婚約破棄にあたる典型的な理由を紹介します。
 

婚約者のことが気に入らないといった一方的な理由

性格の不一致や相性の悪さ、気に入らないことが発覚したといった一方的な理由だけで婚約破棄した場合は不当(正当な理由がない)とされます。
 

婚約者の親族や親が反対しているという理由

婚約まで進めた段階にも拘らず、親族や親が反対しているという理由で婚約破棄した場合は不当(正当な理由がない)とされます。反対しているならそもそも婚約すべきではありません。
 

婚約者の親族に前科や犯罪歴が発覚したという理由

親族の前科や犯罪歴は、婚約当事者に直接関係のないことなので、そうした理由だけで婚約破棄した場合は不当(正当な理由がない)とされます。
 

婚約者やその親族の信仰が違うという理由

婚約まで進めた段階で信仰の相違を理由として婚約破棄することは、基本的に不当(正当な理由がない)とされます。
 

婚約者やその親族に対する差別意識

人種、国籍を理由とする差別や部落差別などを理由とする婚約破棄は不当(正当な理由がない)とされます。
 

急に心変わりしたという理由

婚約まで進めた段階で急に心変わりしたり、他に好きな人ができたといった理由で婚約破棄した場合は不当(正当な理由がない)とされます。
 

婚約破棄したことに正当な理由があると判断される場合

婚約破棄したことに正当な理由があるケースとは、第三者が見ても、そうした理由ならば婚約破棄もやむを得ないと言える場合です。
代表的なケースを紹介します。
 

婚約者の不貞行為が発覚した

相手が婚約者以外の人と不貞行為を行っていたことなどが発覚したケースです。不貞行為とは肉体関係に発展していたという意味で、離婚原因の一つともされています。こうした事情が発覚したなら、婚約破棄したとしても正当な理由があると判断されやすいです。
 

婚約者が既婚者だった

相手がプロフィールを偽っていて、実は既婚者だった場合です。相手に離婚する気もないのであれば、騙されてしまったことになりますから、婚約破棄したことに正当な理由があると判断されやすいです。
 

婚約者から暴行や虐待を受けた

相手から暴力を振るわれたり、ひどい虐待を受けたならば、正常な婚姻生活を送ることが難しいので婚約破棄することに正当な理由があると判断されやすいです。
 

婚約者が失踪した

相手が急に失踪して連絡が取れなくなった場合です。婚姻中の夫婦でも、配偶者の生死が3年以上明らかでないときは、離婚原因とすることができます。
 

婚約者に性的な問題が発覚した

結婚後は、性的な関係を持つことが想定されているわけですが、相手方がセックスレスなど性的に不能な状態だったり、性癖が異常であるために正常な性生活を営むのが難しいことが婚約後で発覚した場合は、婚約破棄したとしても、正当な理由があると判断されやすいです。
 

婚約者と信頼関係を築くのが困難な場合

婚約後に、本来なら二人で話し合って決めるべきことを相手が勝手に決めたり、相手が社会常識を逸脱した異常な言動を繰り返していることなどにより、婚約者と信頼関係を築くのが困難となった場合は、婚約破棄したとしても、正当な理由があると判断されやすいです。
 

婚約後に経済状況に大きな変化があった場合

婚約後に、相手に多額の借金があることが判明したり、経済状況に大きな変化があったことにより、生活費さえ賄えないなど正常な婚姻生活を築くことが困難ならば、婚約破棄したとしても、正当な理由があると判断されやすいです。
 

婚約破棄が不当な(正当な理由がない)場合の慰謝料の金額や相場は?

婚約破棄が不当な(正当な理由がない)場合は、相手方に対して、慰謝料の支払い等を求めることができます。
慰謝料は、婚約を不当に破棄された方がそれによって被った精神的苦痛を婚約相手に補償してもらうための金銭です。
婚約破棄の慰謝料はケースにより大きく異なりますが、50万~300万円が相場とされています。
 
また、婚約相手の不貞行為(浮気、不倫)が原因で、婚約破棄に至った場合は、浮気相手、不倫相手を訴えて、慰謝料を請求できる可能性があります。
 

婚約破棄が不当な(正当な理由がない)場合に請求できる金銭は?

婚約破棄が不当な(正当な理由がない)場合は、慰謝料以外の金銭を請求することもできます。
婚約解消に伴う金銭的、経済的な損失について損害賠償請求を行うことができますが、例えば、次のような費用です。
 

  • ・婚約指輪の購入費用
  • ・結納金として相手に支払った金銭
  • ・結婚式場のキャンセル料金
  • ・新婚旅行のキャンセル料金
  • ・新居の契約のキャンセル料金
  • ・家財道具の購入にかかった費用

 
こうした費用について、不当に婚約を破棄された側が支払っていた場合は、相手方に請求が可能です。
 
その他、婚約に伴い寿退社した場合は、その逸失利益についても補償を求めることも可能です。
寿退社していなければ得られたはずの給与などを計算して請求することができます。
 

婚約破棄された際に妊娠していた時は?

婚約破棄された際に相手方の子を妊娠していた場合はどうでしょうか?
様々な選択肢がありますが、子を産み育てるのであれば、相手に対して子の認知を求めて、養育費を請求することができます。
これは、不当な(正当な理由がない)婚約破棄であったかどうかに関わらず、請求可能です。
なぜなら、子にとっては、認知されれば、相手が父親であることに変わりはなく、子が養育費を請求する権利に影響はないからです。
 

婚約破棄したい場合のポイント

あなたが相手との婚約を破棄したいと思っている場合は、相手から婚約破棄による慰謝料や経済的損失の補償を求められる可能性があることに注意しましょう。
そうしたリスクを避けるためには、次の2つの点に注意しましょう。
 

  • ・婚約破棄にあたって、正当な理由を示す。
  • ・正当な理由を裏付ける事実や証拠を示す。

 
婚約破棄で、相手方から慰謝料や損害賠償請求を受けないようにするためには、正当な理由が必要です。
そして、正当な理由を主張する際は、その明確な事実や証拠を示しましょう。
 
婚約破棄の交渉は、当事者同士がよく話し合うのが基本です。
ただ、状況によっては、当事者同士が顔を合わせない方が良いこともあるでしょう。
このように解決が難しい場合は、弁護士に代理で交渉してもらうことも検討してください。
 
婚約破棄の交渉が成立したら、蒸し返しを避けるためにその証拠を残します。
具体的には、お互いが婚約解消に合意したことを示す合意書や示談書を作成します。
合意書や示談書には次のような項目を盛り込みます。
 

  • ・婚約解消にお互いが合意した旨
  • ・婚約解消に伴う金銭的補償の内容
  • ・合意により一切の義務がなくなったことを確認する清算条項

 
合意書や示談書はお互いに署名、押印しあって1通ずつ所持する形にしましょう。
 

婚約破棄された場合のポイント

あなたが相手から婚約破棄されてしまったケースでは、相手の主張に正当な理由があると言えるのか確認しましょう。
正当な理由がなく婚約破棄が不当であれば、慰謝料請求やあなたが被った経済的損失の補償を相手に求めることができます。
 
正当な理由の有無については、この記事で紹介した例が参考になりますが、個々の事情ごとに異なります。
解決できない時や判断が難しい場合は、弁護士に相談しましょう。
 
正当な理由がないケースでは、慰謝料請求や損害賠償請求を相手に対して行います。
そのためには、具体的な金額を提示しなければなりませんが、ネットで調べた金額をそのまま示すだけでは、相手が納得して支払ってくれる可能性は低いです。
やはり、弁護士に相談し、具体的な根拠を基に金額を提示することが大切です。
 

まとめ

婚約の法的効果については、民法に規定はありません。
ただ判例により、婚約にも一定の法的効力があることが認められており、婚約破棄が不当な(正当な理由がない)場合は、慰謝料請求や経済的損失の損害賠償請求が可能になります。
あなたが婚約破棄をしたい場合は、正当な理由が必要です。
逆にあなたが婚約破棄されてしまった場合は、正当な理由があるのか検討し、必要に応じて相手に対して、損害賠償請求しましょう。
婚約破棄の際の正当な理由の有無や慰謝料の相場や請求方法で迷っている場合は、弁護士にご相談ください。

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