依頼者(夫・40代・営業職)と妻(30代)は、婚姻期間6年以上の夫婦であり、子供が1人いました(長女・1歳)。夫婦の間で諍いが生じた際、売り言葉に買い言葉で、依頼者も厳しい口調で言ってしまったことがあり、その夫婦喧嘩の延長線上で、妻と子供が妻の実家に住むという形で別居となりました。後日、弁護士を通じて、妻より、離婚請求がされるとともに、親権者は妻、養育費として相当額等の請求がなされました。
妻に弁護士が就いたということで、依頼者も弁護士を就けて対応したいということで、ご依頼をいただきました。
妻から協議離婚を求められた状況において、養育費の額や面会交流の条件を整えた上で、協議離婚で決着した事例
ご相談の概要
解決に向けた活動
依頼者は離婚請求を受ける立場でしたが、養育費や面会交流の条件が整えば離婚には応じるという姿勢でした。また、子供の年齢等からして、親権者を妻とすることも争わないこととしました。
養育費について、当時依頼者のみが稼働し、妻は専業主婦であったことから、この稼働状況の前提に、いわゆる養育費算定表に基づく金額が請求されていました。これに対し、妻の稼働能力や別居後の居住環境、あとは弁護士介入前の夫婦間の離婚協議内容等を指摘しながら、養育費の再検討を求めました。また、面会交流について、毎月の定期的な面会交流の他に、一定年齢以上になった後の宿泊を伴う面会交流も希望しました。これを受け、妻からは、弁護士介入前の夫婦間の離婚協議内容等について異論が唱えられるとともに、面会交流の条件についても意見が出されました。もっとも、養育費の金額は歩み寄りの姿勢が示され、宿泊を伴う面会交流についても、開始する年齢等について整えば吝かでないという姿勢が示されたことから、見解はぶつかりつつも、徐々に離婚条件は詰まっていきました。その後も複数回の折衝を行い、その中で、養育費について妻からさらなる歩み寄りの提案がなされたことから、依頼者とも協議の上、養育費に関する歩み寄りを享受する代わりに、面会交流の条件に関しては妻の希望を受け容れる形で具体的な離婚条件が固まりました。養育費の取り決めがあったことから、公正証書形式で離婚条件を明文化し、双方代理人が公証役場に出頭し、協議離婚成立となりました。
弁護士介入の通知をしてから協議離婚成立に至るまで、約3ヶ月での解決となりました。
解決のポイント
本件では、面会交流について妻側の要望を受け容れたこともあり、養育費について、当初妻が請求していた金額よりも、月額2万円を超える範囲で歩み寄りが得られました。養育費算定表においては、個別の事情によって、標準額から1万円~2万円の範囲で増減することがあるとされていますが、逆にこの範囲を超えて増減する例は多くありません。憶測ではありますが、妻が近々に就労を開始する等の事情が背景にあったのかもしれません。
離婚の方法には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚等がありますが、当事者間の協議で離婚条件が進展するのであれば、調停離婚や裁判離婚より早期解決になる可能性も当然高まります。どのようなケースであれば協議離婚成立の可能性があるか(高いか、低いか)、実際の経験に基づいたアドバイスができますので、離婚をお考えの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。
その他の解決事例
妻から夫の不貞相手である女性に対して慰謝料請求訴訟を提起し、不貞関係が長期間に及んでいることや、当該女性の開き直りのような態度を指摘した結果、慰謝料として150万円の支払いを受ける内容で和解となったケース
不貞慰謝料依頼者(妻・40代・専業主婦)と夫(40代)の間には子供が2人(長男18歳、二男14歳)おり、長男及び二男とともに家族4人で生活していました。依頼者は、かねてより、夫に女性の影を感じていました。そこで、依頼者が夫の携帯電話を確認したところ、夫が依頼者以外の女性と不貞関係に及んでいることを疑わせるメールを発見しました。これに基づき依頼者が夫を問いただしたところ、5年以上にわたり、特定の女性と、当該女性の自宅や単身赴任先で不貞関係に及んでいることを自白しました。
当該女性は、依頼者が学生時代の時の知り合いであったことから、尚更依頼者は不貞行為を許容することができませんでした。子供達の存在や、依頼者の健康上の理由から、別居・離婚は困難であったことから、当該女性に対して慰謝料を請求すべく、ご依頼を頂きました。
子供が生まれたことをきっかけとして妻が実家に依存するようになり、別居となった事案において、夫から離婚調停を申し立て、将来における減収や妻の潜在的稼働能力を踏まえて養育費が算定されたケース
別居親権財産分与離婚面会交流養育費依頼者(夫・30代・会社員[調理師])と妻は、婚姻歴5年弱の夫婦であり、子供が1人(長男2歳)いました。依頼者と妻は2人で夫婦生活を送っていましたが、同じ県内に妻の実家があり、比較的帰省は容易な状況でした。妻が子供を妊娠し、出産することになって以降、妻は頻繁に実家に帰り、妻の両親の援助を受けるようになりました。依頼者は、仕事の都合で県外に行くこともあり、妻の実家に援助を求めることもしょうがないと感じていましたが、次第に、実家依存症ではないかと思う程、妻は実家にいるようになりました。そして、ある時、妻から依頼者に対し、依頼者と住んでいた家には戻りたくない、このまま実家で生活すると告げられ、実家帰省のはずが、そのまま別居となりました。
依頼者は妻に対し、何度も、子供と一緒に戻ってきてほしいとお願いをしましたが、実家にいる方が安心だから等の理由で応じてもらえませんでした。依頼者はあくまでも関係修復(円満)を求めていましたが、妻の気持ちが変わる気配が全くなかったことから、この状態では婚姻関係を続ける意味がないとして、ご相談を頂きました。
依頼者である男性が交際相手の女性との入籍前に、当該女性が別の男性と肉体関係を持っていたことが判明したため、当該男性に対して損害賠償請求を請求したところ、50万円の損害賠償を受ける内容で示談したケース
内縁関係婚約慰謝料依頼者(男性)は、数年間交際した女性と婚姻の約束をしていましたが、入籍直前で、当該女性が別の男性と肉体関係を持っていることが発覚しました。依頼者は激しく動揺し、婚姻を破談にするか悩みましたが、当該女性は不貞の事実を素直に認め、謝罪したことから、当該女性とは予定どおり婚姻しました。
しかし、浮気相手である当該男性については、依頼者の存在を知りながら不貞の関係を続けていたことから、許すことはできないということで、弁護士にご相談を頂きました。
夫が妻(依頼者)以外の女性と不貞に及び、別居している状況で、妻側代理人として介入し、協議離婚が成立したケース
不貞慰謝料親権離婚養育費依頼者(妻・40代・公務員)と夫(40代・公務員)は、婚姻期間15年を超える夫婦であり、子どもが1人(13歳)いました。
夫が依頼者以外の女性と不貞関係に及んでいることが分かり、夫が出ていく形で別居となりました。別居後、依頼者と夫の間で離婚すること及び親権者を依頼者とすることは合意しましたが、それ以外の条件については決まっていませんでした。思春期である子どもは、父親が不貞していることを知り、精神的にショックを受けました。
子どものためにも、しっかりと約束事を決めて離婚したいということで、ご相談を頂きました。
妻が小学生の子供を連れて夫と別居したところ、夫が子の監護者指定及び子の引渡しの審判を申立てた事案において、従前の監護状況、監護補助者、将来に向けての監護方針等についての主張を尽くした結果、妻を監護者と指定する内容で調停が成立したケース
別居子の引渡し監護者指定親権離婚依頼者(妻・30代・兼業主婦)と夫は、婚姻期間10年以上の夫婦であり、両者の間には子供が1人(長男・小学生)いました。子供が生まれたことをきっかけとして、依頼者は仕事を辞めて主婦となりましたが、依頼者の収入がなくなったことについて、夫婦間で見解の相違が生じました。そこから、生活費をめぐって夫婦間で諍いが生じるようになり、夫婦関係が希薄なものとなりました。依頼者は、この状況に絶えかね、ある日、依頼者と子供の2人で出掛ける用事を済ませた後、そのまま、夫のいる家に戻らず、子供と一緒に依頼者の実家に行きました。
そうしたところ、別居後間もなく、夫より、家庭裁判所に対し、子の監護者指定及び子の引渡しの審判が申し立てられました。
依頼者は、審判手続きの対応に困り、ご相談を頂きました。