婚姻費用・養育費算定表で子の年齢区分を2区分としているのはなぜ?
1 はじめに
家庭裁判所では、婚姻費用及び養育費を算定するに当たり、いわゆる算定表が利用されています。
算定表は、夫婦双方の収入状況、子の有無・数・年齢などを参考にして、簡易迅速に婚姻費用及び養育費を算定できるよう提案されたものです。なお、この算定表は、提案から15年以上経過した令和元年12月、家庭の収入や支出の実態等の変化に対応するため、改定されました(これを「改定標準算定方式・算定表」といいます。)。
算定表は、裁判所のHPで確認することができます。
2 算定表の年齢区分についての見解
家庭裁判所が採用している算定表は、子どもの年齢区分を「0歳から14歳まで」と「15歳から19歳まで」の2区分としています。
この考え方に対しては、乳幼児や小中学生と同じ区分とする点で生活実態とかけ離れているという異論もあります。
この異論は、子どもの生活費指数を0歳~5歳(未就学児)、6歳~11歳(小学生)、12歳~14歳(中学生)、15歳~19歳(高校生等)の4区分とした上で、算定表においては、6歳から14歳までをひとまとめにして、0歳~5歳(未就学児)、6歳~14歳(小中学生)、15~19歳(高校生)の3区分で算定する考え方を提案しています。
3 子どもの年齢区分を2区分としている理由
異なる考え方が存在するにもかかわらず、家庭裁判所の採用する算定表が子どもの年齢区分を2区分とする理由としては、次のことが挙げられます。
・乳幼児については、教育費はかからないものの、親が働くためには保育機関を利用する必要があり、そのためには少なからず費用がかかります。また、子どもが幼いうちは体調不良や病気で病院にかかることも少なくなく、その場合の治療費負担(支出)や欠勤による収入の減少といった事態も起こり得ます。
・幼稚園や小学校では、中学校と同様、学習教育費は一定程度かかっており、乳幼児・小学生と中学生とでかかる費用に差がある(乳幼児・小学生にかかる費用の方が低い)ことをもって、0~11歳と12~14歳で年齢区分を分けるほどの生活実態の差があるとは言い難いと考えられます。
・義務教育機関である公立小学校・公立中学校においては、授業料及び教科書が無償であるのに対し、高校以上では、基本的に授業料は有償という明らかな違いがあります。さらに、統計によると、長子が中学生の段階と高校以上の段階を比較すると、後者における教育費の支出が格段に多いという結果となっています。
4 まとめ
以上の理由により、0歳~14歳までの年齢区分をさらに細分化する必要性は乏しく、その一方で、0歳~14歳と15歳~19歳は別区分にする必要性があるということになり、算定表は、「0歳から14歳まで」と「15歳から19歳まで」の2区分を採用しています。
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