浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料の相場はいくら?請求方法も解説 |大田区の離婚・慰謝料請求に強い弁護士

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浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料の相場はいくら?請求方法も解説

配偶者が浮気・不倫(不貞行為)をしていた場合、された側は、その配偶者と不倫相手に対して慰謝料請求を行うことができます。
慰謝料の相場は50万円から300万円と幅が広く、離婚するか、婚姻関係を継続するかにより大きく異なります。
浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料の相場が変動する要因や慰謝料の方法なども解説します。
 

慰謝料を請求できる不貞行為とは?

配偶者が浮気・不倫した場合は、配偶者及び不倫相手に対して慰謝料を請求できると聞いたことがあると思います。
では、浮気・不倫とはどのような行為を差すのでしょうか。
例えば、
 

  • ・配偶者が不倫相手と手をつないで仲良くしていた。
  • ・配偶者が不倫相手と抱き合ってキスをしていた。

 
こうした行為は、浮気・不倫に該当し、慰謝料を請求できるのでしょうか?
結論から言うと、浮気・不倫は、法律用語ではなく一般的な用語なので厳密な定義はありません。
上記の行為を浮気・不倫だと考える人もいれば、その程度では浮気・不倫ではないと考える方もいるでしょう。
どちらも間違いではありません。
では、上記のような行為が行われていた場合に不貞慰謝料を請求できるのかというと、残念ながら難しいと考えられます。
 
浮気・不倫で慰謝料を請求できるのは、配偶者が「不貞行為」を行っていた場合に限られます。
そして、不貞行為は法律用語ですし、判例により定義が確立しています。
具体的には、不貞行為とは、「配偶者ある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」であると定義されています(最判昭和48年11月15日)。
性的関係まで行ったことが確認できた場合に初めて、不貞行為と解釈することができ、慰謝料を請求できるということです。
よって、上記の事例はいずれも不貞行為とは言えないため、慰謝料請求は難しい(認められるとしても相対的に低い金額にとどまる)ことになります。
 

不貞の慰謝料を請求できる相手は?

不貞の慰謝料を請求できる相手は、不貞行為をした配偶者とその不倫相手です。
例えば、夫が他の女性と不貞行為をしていたことが発覚した場合は、妻は、夫に対してはもちろん、不貞行為の相手である女性に対しても慰謝料請求が可能です。
 
なお、夫と女性の双方に対して、慰謝料請求ができるにしても、請求できる慰謝料の額が2倍になるわけではありません。
法律上は、夫と女性が妻に対して負う慰謝料の支払い債務が連帯債務になるため、妻としては、夫と女性のどちらに対しても慰謝料の全額を請求できるという意味になります。
二重取りできるわけではないので注意してください。
 

不貞の慰謝料の相場は?

不貞の慰謝料の相場は、50万円〜300万円とされています。
 

  • ・不貞行為がきっかけで離婚することになったのか?
  • ・不貞行為後も離婚せずに夫婦の関係が継続しているのか?

 
等、様々な事情により大きく異なります。
 

不貞行為後も夫婦関係を継続する場合

有責配偶者の不貞行為が発覚した後も、夫婦の関係を維持するのであれば、他方の配偶者が受けたショックの程度はそれほど大きくないと捉えられるため、慰謝料の額も少なくなります。
おおむね、50万円から100万円前後が相場と言われています。
 

不貞行為後、離婚には至らないものの、別居することになった場合

有責配偶者の不貞行為が発覚した後で、仮面夫婦状態になり、別居するに至った場合は、離婚はしていないにしても夫婦の関係を維持できなくなったことにより、他方の配偶者が受けたショックの程度は大きいため、100万円以上の金額となるケースが多いと言えます。
 

不貞行為後、夫婦が離婚した場合

有責配偶者の不貞行為が発覚した後で、夫婦関係が完全に破綻して、離婚することになった場合は、他方の配偶者が受けたショックの程度は多大と言えるため、慰謝料の額も高額になります。
おおむね100万円から300万円が相場とされています。
 
不貞の慰謝料の相場は上記のとおりですが、事例によっては、300万円ではとても収まらないケースも考えられます。
相場とされる額を超える請求も可能なケースがありますので、詳しくは弁護士に相談することが大切です。
 

不貞の慰謝料の金額が増減する要因

不貞の慰謝料の金額の相場は、50万円〜300万円とかなり幅があります。
また、300万円以上の慰謝料を請求すべきケースもあります。
では、不貞の慰謝料の金額が増減する要因は何なのか確認しましょう。
 

結婚生活関係の要素

婚姻期間の長さ

婚姻期間が長い夫婦の一方が、不貞行為を行っていた場合は、慰謝料の額は高額になります。
婚姻期間が短い場合は慰謝料の額が低額になります。
 

夫婦円満度

不貞行為の時点で夫婦の仲が円満だった場合は、慰謝料の額は高額になります。
不貞行為の時点ですでに夫婦の関係が破綻している場合は、慰謝料の額は低くなるか、0円ということもあります。
 

子供の有無

特に未成年の子どもがいる場合は、慰謝料の額は高額になります。
また人数が多いほど慰謝料の額も増えます。
一方、子どもがいない夫婦の一方の不貞行為のケースでは、慰謝料の額は低くなる傾向です。
 

経済的な要素

不貞行為をした配偶者

不貞行為をした配偶者の経済力が高いほど、慰謝料の額は高額になります。
不貞行為をした配偶者の経済力が低い場合は、現実的に支払える慰謝料の額が限られるため、低額になることもあります。
 

不貞行為の相手方

不貞行為の相手方の経済力が高いほど、慰謝料の額は高額になります。
逆に低い場合は、現実的に支払える慰謝料の額が限られるため、低額になることもあります。
 

不貞行為をされた配偶者

不貞行為をされた配偶者の経済力が低い場合は、慰謝料の額は高額になります。
 

不貞行為の態様

不貞行為の積極度

不貞行為を繰り返していたり、その期間が長い等、積極的に不貞行為を行っていた場合は、慰謝料の額が高額になります。
不貞行為をしたのが一度きりで、別れたというのであれば、慰謝料の額は低くなります。
 

誠実さの程度

不貞行為の発覚後も謝罪の意思を示さなかったり、不誠実な対応を取っている場合は、慰謝料の額が高額になります。
一方、不貞行為の発覚後に認めた上で真摯に謝罪する等の対応を取っていた場合は、慰謝料の額が低くなることもあります。
 

妊娠の有無

不貞行為の結果、妊娠した場合は、慰謝料の額が高額になります。
 

社会的制裁を受けているかどうか

不貞行為が社会的に広く知られてしまったために、すでに様々な社会的制裁を受けているケースでは、慰謝料の額が低くなることもあります。
 

不貞の慰謝料の相場と求償権の関係

不貞行為の慰謝料に関して、相手方に求償権を放棄させた場合は、慰謝料の額が低くなることがあります。
この意味について解説するために次の事例で考えましょう。
 
A夫とB妻は、同居しており、夫婦の関係は良好とみられていました。
ところが、A夫はC女と不倫関係にあり、不貞行為(肉体関係)も持っていました。
不倫発覚後、A夫とB妻は話し合って、夫婦の関係を維持することにしました。
ただ、B妻はC女に慰謝料請求を行おうとしています。
弁護士に相談したところ、A夫とC女に請求できる慰謝料の相場は100万円とのことでした。
 
この事例において、B妻がC女に100万円の支払いを求めて、C女が100万円を支払ったとします。
この場合、C女はA夫に対して、100万円のうち、責任の割合に応じた求償権を行使することができます。
A夫とC女の不貞行為についての責任の割合が、1:1の関係であれば、C女はA夫に対して、50万円を支払うように求めることができます。
 
現金の流れとしてみた場合、B妻がC女から100万円を受け取って、夫婦の共同財産に組み込んでも、その中から、A夫がC女に50万円を支払う形になるため、実質的な慰謝料の額は50万円になります。
このように、不貞行為の慰謝料を受け取って、半分を不倫相手に返すというやり取りをすることは、手間がかかります。
そこで、B妻がC女に慰謝料を請求する際、C女に求償権を放棄してもらう代わりに、慰謝料の額を最初から50万円に設定することがあります。
こうしておけば、B妻がC女から50万円を受け取るだけで、A夫が求償されないことになります。
 
なお、このような形で、求償権を放棄してもらうのは、A夫とB妻の夫婦関係を維持する場合に限られます。
離婚したり、別居することになった場合は、B妻はC女に100万円を請求すればよく、A夫がC女から50万円を求償されても無関係の立場でいることができます。
 

不貞行為について慰謝料請求するための条件

不貞行為について慰謝料請求するためには、4つの条件を満たす必要があります。
 

不貞行為があったこと

既に述べたとおり、不貞行為とは、配偶者以外の者と性的関係・肉体関係を持つことです。
配偶者が浮気、不倫を行っている場合は、直ちに慰謝料請求したいと思うかもしれませんが、不貞行為が確認できないと、慰謝料請求は難しいことが多いです。
 

不貞行為の証拠があること

浮気、不倫をしている確定的な証拠がなければ、慰謝料請求は難しいです。
浮気、不倫をした当事者が証拠なしでも素直に認めるならともかく、裁判等に発展した場合は、証拠無しで慰謝料請求を行うのは難しいことがほとんどです。
 
なお、証拠とは、不貞行為の証拠でなければなりません。
路上で抱き合っていたり、キスしていた程度の写真だけでは、性的関係・肉体関係まで行っているのか断定しがたいということもあります。
二人揃って、ラブホテルに出入りしていたことが確認できる程度の直接的な証拠が必要になります。
 

浮気、不倫の結果、夫婦関係が破綻したこと

配偶者の浮気、不倫が発覚したことがきっかけで夫婦の関係が破綻したという因果関係が必要です。
もともと、夫婦の仲が冷え込んでいて仮面夫婦状態だった場合は、離婚や別居することになったとしても、浮気、不倫が原因とは限らないため、慰謝料請求は難しいこともあります。
 

慰謝料請求権の消滅時効が成立していないこと

配偶者が不貞行為を行ったことに対する慰謝料請求権には消滅時効があります。
不貞行為の慰謝料請求権は、民法の不法行為に基づく損害賠償請求権の一つであるため、
 

  • ・被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年
  • ・不法行為の時から20年

 
のいずれかの期間が経過することで、消滅時効にかかります。
 
一般的には、不貞行為が発覚したときから3年経過すると慰謝料請求権が消滅時効にかかってしまいます。
 

慰謝料を請求するための浮気、不倫の証拠とは?

慰謝料を請求するための浮気、不倫の証拠とは、不貞行為を行っていたことの証拠です。
配偶者と不倫相手が肉体関係を結んでいる場面の写真などが確定的な証拠になりますが、通常はそのような写真を入手することは困難です。
そこで、次のような証拠を複数揃えることが有効とされています。
 

  • ・ラブホテル・ホテル・旅館・ビジネスホテルに配偶者と不倫相手が出入りしている写真
  • ・配偶者と不倫相手が電話、メール、LINEやSNSでやり取りしていた記録
  • ・ラブホテル等を利用したクレジットカードの明細や領収書
  • ・自家用車を利用している場合はカーナビの履歴

 
この中でも有力なのが、ラブホテルに配偶者と不倫相手が出入りしている写真等ですが、こうした写真を撮るためには尾行が必要なので、一般の方には難しいことが多いです。
そのため、探偵事務所などに依頼して調査を行って貰う必要があります。
 

不貞行為の慰謝料を請求する方法と手続き

不貞行為の慰謝料を請求するには、相手と直接交渉するか、内容証明郵便を送るか、裁判手続を利用する方法の3つがあります。
 

相手と直接交渉する方法

不貞行為の慰謝料を請求する相手が自分の配偶者の場合は、離婚を前提としている場合がほとんどでしょう。
そのため、離婚に関する話し合いの一環として、慰謝料を請求する形になります。
例えば、財産分与の話し合いの際に、慰謝料の分だけ、多めに財産分与を受ける形が考えられます。
 
不倫相手に対して慰謝料請求する場合は、電話やメール、SNSのやり取りだけでは、具体的な金銭の請求までつなげることが難しいため、対面での話し合いが必要になります。
話し合いがまとまったら、慰謝料の金額、支払方法、支払期限などの合意内容を文書化することが大切です。
ただ、こうした交渉は、ご自身がやるにはストレスになるうえ手間がかかります。
また、相手が話し合いに応じないこともありますし、対面することで、殴り合いなどのトラブルに発展してしまうこともあります。
こうした交渉は、弁護士に依頼したほうが確実ですし、相手も弁護士からの請求だと、うやむやにできないと観念して、慰謝料の支払いに応じることが多いです。
 

内容証明郵便を送る方法

不倫相手と直接、顔を合わせたくない場合は、電話やメール、SNSである程度のやり取りをしたうえで、慰謝料の支払いを求める旨の内容証明郵便を送付する方法もあります。
内容証明郵便には、慰謝料の金額、支払方法、支払期限などを具体的に記載します。
内容証明郵便を受け取った相手が、支払いに応じれば、それに越したことはありませんが、内容証明郵便には強制力はないため、無視されてしまえばそれまでです。
この場合は、裁判手続に進むしかありません。
 

裁判手続

裁判手続は、調停手続と通常の裁判手続があります。
 

調停手続による慰謝料請求

離婚することが前提で、配偶者に対して、離婚の慰謝料請求をする場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、離婚の調停手続の中で、不貞行為の慰謝料についても話し合います。
不倫相手に対する慰謝料請求の場合は、不倫相手の住所地を管轄する簡易裁判所に民事調停を申し立てる形になります。
いずれの場合でも調停委員を介した話し合いの形で手続きが進むため、必ずしも弁護士は必要ありません。
ただ、不貞行為の証拠を押さえていない場合は、有利な立場で話し合いを進めることは難しいこともあります。
 

裁判による慰謝料請求

不倫相手に対する慰謝料請求の場合は、通常の民事訴訟を提起することになります。
裁判で慰謝料請求を行うためには、不貞行為が行われていたことの確定的な証拠が必要となります。
また、裁判官や相手方との間で主張や証拠の整理を行うことが必要になるため、弁護士無しで訴訟に挑むのは難易度が高いと言えます。
 

まとめ

慰謝料を請求できる不貞行為とは、単純な浮気や不倫ではなく、性的関係・肉体関係まで発展している場合です。
有責配偶者の不貞行為が確認された場合は、他方の配偶者は、有責配偶者及び不倫相手に対して慰謝料請求を行うことができます。
慰謝料請求の相場は、離婚するかどうかにより、50万円から300万円と幅があります。
実際の慰謝料請求では、不貞行為の証拠を押さえた上で、話し合いや調停、裁判手続を経る必要があります。
ただ、不倫相手と顔を合わせることは精神的にもきついですし、話し合いもスムーズにいかないことがあるため、早めに弁護士に相談すべきです。

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