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モラハラで慰謝料を請求するには証拠が必要? 有効な集め方や弁護士への相談方法

モラハラを理由に離婚したり慰謝料を請求するには証拠を集める必要があります。モラハラは精神的に追い詰める行為で暴力を伴わないため身体的な傷が残りませんし、家庭内の密室で行われるため、証拠が残りにくいのが問題ですが、有効な証拠を用意することも可能です。モラハラの証拠の集め方や弁護士に相談すべきタイミングについて解説します。
 
モラハラで離婚したり慰謝料を請求するには証拠が必要? 有効な集め方や具体的な証拠の例を解説
 
夫婦の間で行われるモラハラは、離婚の原因になりやすいですし、慰謝料を請求することも可能です。
一方で、モラハラは精神的なダメージを与えるもので肉体的な傷を残すものではありません。また、夫婦間のモラハラは、家庭内の密室で行われることが多く、なおさら証拠が残りにくい点が問題になっています。
ただ、最近では、モラハラを理由に離婚するケースも増えており、有効な証拠の集め方も確立されつつあります。
モラハラの証拠の具体例、集め方や注意点、弁護士に相談すべきタイミングについて解説します。
 

モラハラとは?

モラハラとは、モラルハラスメントの略称で精神的な暴力を意味します。
言葉や態度による嫌がらせのことで、職場だけでなく家庭内で行われることもあります。
暴力の場合、身体的に痛めつけることによって相手を追い詰めますが、モラハラの場合は暴言で威嚇したり、否定、軽蔑したり、困惑させることにより、相手の精神を不安定な状態にし、支配下に置こうと試みます。
モラハラの被害を受けてしまうと精神的苦痛を被るだけでなく、自尊心や判断力を失ってしまい、心身に支障が生じて、精神疾患を発症したり、自殺に追い込まれたりすることもあります。
 

モラハラの典型例

モラハラに該当する行為の典型例は次のような行為です。
 

人格否定発言

人の人間性、性格、容姿、生き方、育ちなどを否定する発言を繰り返すことです。
 

過度に束縛する

相手に対してこまめに連絡するように求めたり、人との交流を制限したり、お金の出入りを厳しく監視するような行為です。
 

無視する

モラハラの典型は暴言を吐くことですが、逆に無視することもモラハラに該当します。わざとらしくため息をついたり舌打ちすることも該当すると言えます。
 

地位や収入格差で優位性を主張する

地位や収入格差を持ち出して、相手よりも優位に立とうとする行為もモラハラに該当することがあります。
 

職場と家庭のモラハラの違い

モラハラは、職場と家庭のどちらでも行われる可能性があります。
職場で行われるモラハラは、完全に密室で行われるケースは少なく、誰かの目に止まることが多いです。
そのため、被害者は第三者からの指摘があれば、モラハラを受けていることに気づきやすいですし、モラハラ被害を受けていることの証拠や証言を集めやすいと言えます。
一方、家庭内でのモラハラは、密室で行われることが多く、夫婦の問題ということで、第三者から見えにくいために厄介な話になります。
 

モラハラと精神的DVとの違い

夫婦間のモラハラと精神的DVはほぼ同じ意味です。
まず、DVとは、ドメスティック・バイオレンスのことで、親しい人の間で行われる暴力を意味します。
代表的なのは夫婦の間で行われるDVですが、恋人同士で行われることもあります。
そして、DVが暴力を伴わず、暴言や態度によるものであれば、精神的DVになり、夫婦間のモラハラとほぼ同じ意味になります。
 

モラハラは離婚原因になる? 慰謝料を請求できる?

婚姻中の夫婦の間で行われるモラハラは、離婚原因になります。
離婚裁判に挑むための法定離婚原因は次の4つです。

  • ・配偶者の不貞行為。
  • ・配偶者による悪意の遺棄。
  • ・配偶者か3年以上生死不明。
  • ・婚姻を継続し難い重大な事由。

モラハラは、このうち、配偶者による悪意の遺棄か婚姻を継続し難い重大な事由に該当すると考えられます。
 
離婚裁判だけでなく、協議離婚や離婚調停でも、モラハラが行われていたことを立証すれば、離婚しやすくなります。
最近では、熟年離婚の理由として継続的にモラハラが行われていたことが挙げられることも多いです。
また、被害者側は慰謝料を請求することが可能になります。
なお、慰謝料とは、モラハラによって精神的な苦痛を被ったことに対する慰謝を求めるものです。
 

夫婦間のモラハラは証拠が集めにくい

夫婦間のモラハラは、家庭内の密室で行われることが多く、第三者による指摘でモラハラと気づきにくく、第三者による目撃証言も得られません。
外で行われていたとしても、夫婦の問題とされてしまい、第三者による介入等は難しいのが実情です。
また、身体的な暴力、DVと異なり、殴られるなどして怪我を負う状態にならないため、自身の負傷状態を証拠とすることもできません。
そのため、夫婦間のモラハラの証拠は、被害を受けている妻や夫が、自分自身で集めていかなければなりません。
 

夫婦間のモラハラの証拠

夫婦間のモラハラの証拠としてはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なものや集める方法を紹介します。
 

モラハラの録音、録画データ

モラハラを立証するための最も客観的な証拠は、モラハラをされている場面を録画した音声データや録画した映像データです。
加害者の言動や行動の内容を証明しやすいため、有力な証拠になります。
 
モラハラの録音、録画データを用意する際に注意したいことは、編集して切り取りしたものや偽造したものであると疑われないようにすることです。
そのため、録音、録画した原データを用意すべきなのは言うまでもありません。
最近ではAIの性能が向上していることから、配偶者の音声を基に会話を捏造することも可能になっています。
当然、AIによって作られた音声は、たとえ、加害者の発言を再現したものでも証拠にならないので注意しましょう。
 
また、モラハラの録音、録画データは、一回限りでは、夫婦喧嘩でたまたまきつい言葉を発しただけと言われてしまい、日頃からモラハラを受けていることの証拠にならないこともあります。
そのため、複数回にわたり録音、録画を繰り返すことが大切です。
 

配偶者から届いたメールやSNS

モラハラは、直接言葉で吐くだけでなく、メール、lineやSNSでなされることもあります。
メール、lineやSNSで、配偶者を非難したり侮辱している場合は、その内容次第では、モラハラの証拠となりえます。スクリーンショットを撮るなどしてその画面を残しましょう。
面と向かって、避難や侮辱の言葉を浴びせられた際の音声データなどと合わせることで、日頃からモラハラを受けていることの証拠になります。
 

モラハラを受けた日の日記やメモを残す

モラハラを受けた日の日記やメモを書き残すことも有効です。
後で書き換えできないようにボールペンでノートなどに書き残すと良いでしょう。
その際は、日付や時間、場所、相手の発言内容を具体的に記載することが大切です。
スマホやパソコンなどのメモや文書データも、その人しか編集できないものであれば、有力な証拠になり得ます。
 
日記やメモは、モラハラを受けた際の録音、録画データやメール、lineやSNSでのやりとりのスクリーンショットを補完する役割もあります。
録音、録画データ、スクリーンショットだけでは、暴言に至った背景などが分かりにくいこともあります。
例えば、「バカヤロウ」といった暴言の部分だけを録音として残していても、暴言に至る前にどういう状況だったのかは分かりません。
そこで、日記やメモで、暴言の前後にどのようなことがあったのか書き残すとより有力な証拠として役立てることができます。
録音、録画のチャンスがなかなかない場合でも、日記やメモを書き続けることでモラハラを長期間受け続けていたことの証拠とすることができます。
 

精神科・心療内科での医師の診断書や通院記録

モラハラが深刻化すると、被害者は精神的なダメージが蓄積して、心身に支障が生じてしまいます。
うつ病や不眠症、その他の様々な精神疾患を患ってしまうこともあります。
このような場合は、精神科や心療内科で医師の診察を受けて、様々な治療を受けるべきですが、配偶者からモラハラされていることを医師に伝えて、診察してもらい、診断書を作成してもらえば、それが配偶者にモラハラされていることの証拠になることもあります。
 
また、精神科や心療内科を受診する前後の日記やメモ等も合わせることで、配偶者からのモラハラの結果、精神的な疾患を患ってしまったことの証拠になり得ます。
 

公的機関や警察への相談

配偶者からモラハラを受けていることについて、女性センターや精神保健福祉センターなどの公的な機関に相談することも可能です。
この場合、センターの職員は相談票と言った形の書面を書くため、その写しが、モラハラの証拠として役立つこともあります。
また、警察でもモラハラの相談を受け付けていることがあり、同じように相談票の写しを証拠とすることもできます。
 

親族や友人の証言

配偶者からのモラハラが家庭内のみで行われている場合は、第三者の証言が得にくいですが、家庭の外でも行われることもあります。
例えば、親族の集まりの中でモラハラに当たる言動が行われれば、居合わせた人に証言してもらえる可能性があります。
一度だけでは、単なる夫婦喧嘩とみなされてしまうこともありますが、繰り返し行われている場合は、モラハラと気づいてもらいやすいはずです。
 

モラハラで離婚時に慰謝料請求するには証拠が必要?

日常的に夫婦の間でモラハラが行われている場合は、離婚原因になると同時に、被害者は加害者に対して慰謝料を請求できます。
具体的な金額を示したうえで請求することになるので、どの程度のモラハラが行われていたのか、どの程度の精神的苦痛を被っているのかについて客観的な証拠が必要になります。
また、加害者側の配偶者がモラハラを認めていなければ、そもそも、モラハラを理由とする離婚を切り出すことも、慰謝料を請求することも難しくなります。
そのため、モラハラが行われていたことがはっきりとわかる証拠を集めることが非常に重要なポイントになります。
 

モラハラの証拠は複数用意する

モラハラの証拠は一つだけでなく複数用意することが大切です。
例えば、録音や録画データにしても一回分だけでは、モラハラが継続的に行われていたかどうかが分かりません。また、録音や録画データだけでは、その発言の前後にどのような状況だったのかが分からないこともあります。
録音や録画データは、できれば複数回分用意すべきですし、録音や録画データを補強するために、その背景を日記やメモに書き残すことも大切です。
特に、日記やメモはモラハラを受け始めた初期から継続的に書き続けることで、長期間にわたりモラハラが続いていたことの証拠になります。
 

モラハラの証拠はバックアップを取る

モラハラの証拠を集めても、配偶者が束縛のきつい人だと、証拠を見つけられてしまい、破棄されてしまう可能性もあります。
そのため、モラハラの証拠のバックアップが重要になります。
クラウド上に保管するだけでなく、証拠集めの段階から、弁護士に相談しておき、取得した証拠を随時弁護士と共有しておくのも有効です。
 

モラハラの証拠を用意できない場合の対処方法

夫婦間のモラハラは家庭内の密室で行われることが多いため、証拠を用意しづらいのが実情です。
録音や録画にしても特異な動きをすると配偶者に気づかれやすいことから、なかなかチャンスがない方も多いと思います。
 
このような場合、モラハラの証拠を用意できなくて、離婚したくても離婚できないという状況に陥ってしまうかもしれませんが、まずは、弁護士等の専門家に相談することが大切です。
 
弁護士に相談すれば、家庭内の実情に合わせて、どのような形で証拠を用意したらよいのか提案したり、アドバイスすることも可能です。
また、モラハラされていることを弁護士にお伝えいただければ、弁護士が加害者である配偶者との交渉の中で、モラハラを認めさせることができるケースもあります。
 

モラハラの証拠が用意できない場合は別居も検討する

モラハラの証拠を用意できず、配偶者がモラハラを理由とする離婚を拒否していて、協議離婚も調停離婚も難しい場合は、別居することも有効な手段です。
 
モラハラを受け続けると心身に不調をきたしてしまい、様々な精神疾患を患ってしまう恐れがあります。別居はそうした状態に陥ることを予防する意味があります。
また、別居期間が長くなれば、法定離婚原因の一つである「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するため、離婚しやすくなりますし、裁判離婚も認められやすくなります。
 
別居すると生活費などが困るとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、その点については、配偶者に対して婚姻費用を請求できます。
配偶者が婚姻費用を支払わない場合は、家庭裁判所に婚姻費用の分担請求調停を申し立てて、支払いを求めて交渉することが可能です。
調停が不成立となった場合でも裁判所が自動的に審判手続を行ってくれるため、支払いを受けやすいです。
 

モラハラの慰謝料の相場は証拠次第?

モラハラの慰謝料の相場は、50万円〜300万円程度とされており、金額の幅が広いです。
配偶者の経済力や資産状況によって実際に支払える金額は異なりますが、やはり、モラハラの程度や被害者の精神的苦痛の程度によって大きく変わってきます。
つまり、モラハラの慰謝料の金額は、モラハラの証拠次第で変わってくるということです。
適切な額の慰謝料を請求するためにも、しっかりと証拠を押さえることが大切ですし、そのためには弁護士のアドバイスを受けることも必要です。
 

まとめ

モラハラを理由に離婚したり、慰謝料を請求するためには、その前提として、モラハラの証拠を押さえなければなりません。
夫婦間のモラハラは家庭内の密室で行われるケースが多く、証拠を押さえにくいことが課題です。
モラハラの証拠を押さえるなら、ご自身の判断だけで動くのではなく、早めに弁護士にご相談ください。
 
早めに弁護士にご相談いただければ、ご家庭の実情に合わせた証拠の集め方や対応、対処法についてアドバイスできますし、集めた証拠を基に、加害者側の配偶者と話し合い、慰謝料の支払いを求めることができます。
 
モラハラの慰謝料を請求するための証拠集め等、離婚に関して悩みを抱えている方は早めに弁護士にご相談ください。

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