初回相談無料

[まずはお気軽にご電話ください]

 03-6424-8328

平日:9:00〜21:00

メールでの相談予約随時受付

離婚訴訟で訴えられた! → 慰謝料・財産分与等で訴え返す方法(反訴・予備的反訴)②

1 はじめに

前回のコラムでは、離婚訴訟における反訴、予備的反訴について解説しました(詳細はこちら)。

 

今回はその続きです。

 

2 控訴審での反訴と相手方の同意の要否

通常民事訴訟の控訴審で反訴を提起するためには、相手方の同意がなければなりません(民事訴訟法300条)。なぜならば、反訴については第一審で審理をしていないため、同意なしでの反訴を認めると、相手方の第一審で審理を受ける利益を奪うことになるからです。

 

これに対し、離婚訴訟をはじめとする人事訴訟では、控訴審の口頭弁論終結時まで、相手方の同意なく反訴を提起することができるとされています(人事訴訟法18条1項、最高裁平成16年6月3日第一小法廷判決)。これは、離婚判決が確定した後、反訴によって主張できた事実に基づいて改めて離婚訴訟することができないとされていることから(人事訴訟法25条2項)、判決確定前の段階では当事者に主張・立証する機会を十分に与えるという理由があると考えられます。

 

3 予備的反訴をすることによって逆に離婚(婚姻関係の破綻)を認容する方向に働かないか?

前回のコラムで述べたとおり、予備的反訴は、離婚自体を争いつつ、仮に離婚請求が認容されることを条件として、財産分与や慰謝料の支払いを請求するものです。

 

ただ、一方で離婚を争いながら、他方で離婚を前提とした財産分与や慰謝料を求めることが、逆に婚姻関係の破綻を推認されることにならないかという問題があります。

 

この点については確立した見解が存在するわけではありませんが、少なくとも、予備的請求として慰謝料請求を掲げる場合、その根拠となる事実関係を主張するわけですが、その事実関係を踏まえて、裁判所が「婚姻関係は破綻している」と判断する一要素にする可能性はあります。

 

ですので、離婚自体を強く争う(絶対に認めない)という意向であれば、予備的反訴はせずに、本訴の中で原告の離婚請求を真っ向から争うという方針がよいのではないかと考えます。

 

 

 

 

その他のコラム

養育費不払いに対する対応(履行勧告、履行命令)

1 はじめに 前回のコラム(養育費支払いの現状と取り決め方法)はこちらです。   公正証書や調停調書で約束された養育費の支払いが約束どおりに履行されない場合、養育費の支払いを求める側は、家庭裁判所に対し、履行勧告や履行命令を申し立てる方法があります。   2 履行勧告 履行勧告とは、養育費の支払いを求める人(権利者といいます。)の申出によって、家庭裁判所が養育費の履行状況を調査し、養...

熟年離婚で将来の年金はどうなる?┃年金分割の制度・手続きと注意点を分かりやすく解説

はじめに 「熟年離婚を考えているが老後の年金はどうなるのだろう」と不安な方も多いでしょう。熟年離婚時の年金分割について、分割方法や注意点を把握することは大切です。 特に専業主婦(主夫)の場合、長い結婚生活後の年金が重要な生活資金となるため、しっかりと制度を理解しておくことが求められます。 本記事では年金分割に関する基本的な制度や手続きを分かりやすく解説し、熟年離婚を検討する方々が役立てられる情報を紹介します。 ...

婚約破棄するための正当な理由とは? 婚約を不当に解消された時の慰謝料の請求方法や相談先も解説

婚約破棄には正当な理由が必要です。婚約とは将来結婚する約束のことで法的に保護されているからです。一方的な破棄で正当な理由がないケースでは、慰謝料が発生します。婚約破棄された場合の対処法や慰謝料の相場、請求方法について解説します。   婚約破棄するためには正当な理由が必要? 対処法や慰謝料の相場、請求方法も解説 婚約破棄するためには正当な理由が必要です。 婚約には法的な効力が認められているため、有効な婚約が成立...

離婚の基本的な手続きと必要な書類について

離婚の基本的な形は協議離婚といい、夫婦で話し合って離婚届を提出することがこれに当たります。 ただ、調停離婚や裁判離婚の形で離婚した場合でも、離婚届の提出は必要ですし、離婚届の提出と同時に、または、前後して行うべき手続きに大きな違いはありません。 この記事では、離婚の基本的な手続きと必要な書類を確認します。   1.離婚届の入手方法 離婚の手続きというと離婚届を出すだけと考えている方も多いと思います。 では...

浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料の相場はいくら?請求方法も解説

配偶者が浮気・不倫(不貞行為)をしていた場合、された側は、その配偶者と不倫相手に対して慰謝料請求を行うことができます。 慰謝料の相場は50万円から300万円と幅が広く、離婚するか、婚姻関係を継続するかにより大きく異なります。 浮気・不倫(不貞行為)の慰謝料の相場が変動する要因や慰謝料の方法なども解説します。   慰謝料を請求できる不貞行為とは? 配偶者が浮気・不倫した場合は、配偶者及び不倫相手に対して慰謝料...

離婚・男女問題無料相談ご予約。
まずはお気軽にお問合せください

初回相談無料  03-6424-8328

平日:9:00〜21:00

お問い合わせ