初回相談無料

[まずはお気軽にご電話ください]

 03-6424-8328

平日:9:00〜21:00

メールでの相談予約随時受付

離婚時に財産分与の対象になる株・株式とは? 方法や手続きも解説

離婚の際に夫婦が株等の資産を有しており、共有財産に該当する場合はその株式も財産分与しなければなりません。株を財産分与する方法や手続きは、その株式の会社が上場しているか、夫婦が経営者なのかによっても異なります。株を財産分与するための手続きや注意点について解説します。
 

離婚で財産分与すべき株とは? 株価の評価方法、手続きの流れを解説

離婚の際に共有財産に該当する株を夫婦のどちらかが有しているケースでは、どちらか一方の名義だとしても財産分与すべき財産になります。そして、株式を財産分与する際は、株価の評価方法が重要になります。特に非上場株式の場合は、純資産価額方式、類似業種比準価額方式、配当還元方式など計算方法がいくつかあり、どれを選ぶかにより株価が異なります。また、夫婦が経営する自社株を有しているケースでは、会社の経営も絡む複雑な問題になりがちです。
離婚で財産分与すべき株がある場合の注意点や弁護士等に相談すべきケースについて紹介します。
 

離婚する際は株も財産分与の対象になる

離婚するときは、夫婦の財産を等しい割合で分割するのが原則です。これを財産分与と言います。
財産分与の対象になるのは、夫婦の「共有財産」です。
一方で、財産分与の対象にならない財産もあります。これを夫婦それぞれの「特有財産」と言います。
夫婦が持つ株は、「共有財産」または「特有財産」のどちらのケースもありえます。
そのため、財産分与の対象に株が含まれるのかどうかについては、「共有財産」または「特有財産」のどちらに当たるのかで判断します。
 

離婚時に財産分与すべき株とは?

離婚時に財産分与しなければならない株は、共有財産に属する株です。
共有財産に属するのは、
 

  • ・婚姻期間中に取得している財産であること。
  • ・その財産が相続などで承継取得した財産でないこと。

 
という要件を満たした場合です。
 
例えば、夫婦の婚姻期間中に、それぞれの収入を元手に購入した株式は、基本的に共有財産に当たります。
株式の名義が、夫名義でも妻名義のどちらでも原則として共有財産に該当します。
また、夫婦のどちらかのみが働いており、一方が専業の主婦(主夫)だった場合で、主婦(主夫)が株式を購入していたケースも、共有財産に該当します。
 

離婚の際に財産分与の対象にならない株もある?

離婚の際に財産分与の対象にならない株は、夫婦それぞれの特有財産に当たる株です。
特有財産とは次のような財産のことです。
 

  • ・夫婦がそれぞれ、婚姻前から有していた財産
  • ・夫婦がそれぞれの両親から相続により承継した財産
  • ・夫婦がそれぞれの両親から贈与された財産

 
夫と妻がそれぞれ、結婚前から有していた財産は、特有財産に該当します。
離婚時はその財産は自分の財産として持ち出すことができます。
婚姻前から有していた株式はもちろん、特有財産です。婚姻前から有していた資産を株式に変えた場合も特有財産と言えます。
 
父や母から株式をそのまま相続したり贈与されたケースでは、その株式は特有財産に該当します。
また、父や母から預金や現金を相続したり贈与され、それを元手に株式を買ったケースも、その株式は特有財産と言えます。
 
もっとも、婚姻期間が長くなると、特有財産および共有財産が混じってしまい、どれが特有財産なのか判断が難しくなることもあります。
このようなケースでは、特有財産に当たることを客観的な資料を基に示さなければなりません。
それが難しいケースでは、弁護士に相談し、どのように対処すべきか検討しましょう。
 

会社名義の株式は離婚時に財産分与の対象になるのか?

夫婦のどちらかが会社経営者だと、会社名義の株式を有していることもあります。
では、会社名義の株式は財産分与すべき対象になるのでしょうか?
 
原則として、夫婦の離婚の際に会社名義の株式が財産分与の対象になることはありません。会社名義の株式は、夫婦とは別人格の法人が所有しているためです。
ただ、個人経営の会社で、会社の財産も実質的に個人の財産と同一視できるケースでは、会社名義の株式が財産分与の対象になる可能性もあります。
 
このあたりの判断は難しいため、弁護士によく相談することが大切です。
 

株式の配当金は財産分与すべき対象になる?

株式を有していると配当金を得られることがあります。
では、財産分与の対象に配当金は含まれるのでしょうか?
 
これは、配当金を生み出した株式が共有財産及び特有財産のどちらなのかにより判断します。
株式が共有財産であれば、配当金も共有財産に当たるので財産分与すべき財産になります。
株式が特有財産に該当するなら、株式だけでなく、配当金も特有財産に当たるため、財産分与の対象になりません。
もっとも、配当金の額の客観的な証拠がないと、特有財産である旨の主張が難しいこともあります。
 

株を財産分与する際の注意点

株は、上場株式の場合は、常に株価が変動しているため、財産分与する際にもどの時点の株価を基準にすべきかという問題が生じます。
また、非上場株式の場合は、株価が明確でないため、金額をどのように評価すべきかが問題になります。
 

株価の基準時

株の財産分与の際は、どの時点の株価を基準にすべきか決めなければなりません。
基本的には財産分与を行う時点。つまり、離婚の時点の株価を基準に財産分与を行うことになります。
ただ、財産分与に向けた話し合いが長引く場合は、話し合いが続いている間に、株価が変動してしまいます。
そのため、裁判離婚であれば、口頭弁論終結時、調停離婚などであれば、調停成立時の直近の評価額で決めることになります。
 

株価の評価方法

株を財産分与する際は、株価を評価して具体的な金額を決めなければなりません。
上場株式の場合は、市場価格が明確なので株式市場の株価をそのまま利用します。
 
一方、非上場会社の株式のケースでは、株価を評価しなければなりません。
一般的には次の3つのいずれかの評価方法を採用します。
 

  • ・純資産価額方式
  • ・類似業種比準価額方式
  • ・配当還元方式

 
純資産価額方式は、資産から負債を差し引いた金額で株価を計算する方法です。小会社の株価を評価する時に用いられます。
類似業種比準価額方式は、類似業種の上場企業の株価を参考に、株価を決定します。上場企業に近い規模の大会社の株価を評価する時に用いられます。
配当還元方式は、特例的な評価方法です。同族株主以外の株主が取得した株式につき、当該株式から年間に得られる配当金額を一定の利率で還元し、元本である株価を算出する方法です。
 

非上場会社の株価の評価手順

非上場会社の株価を評価する方法は、上記に紹介した3つですが、これらの方式からどれを選択したらよいのでしょうか?
基本的な評価手順は次のとおりです。
 

  • ・会社の規模を調べる。
  • ・会社の規模に合わせた評価方法を選択する。

 
会社の規模の分類は、大会社、中会社、小会社のいずれかです。
純資産価額(帳簿価額)、従業員数、年間の取引金額から判断します。
一般的な業種だとおおむね次のような基準になります。
 

純資産価額 従業員数 年間の取引金額
大会社 15億円以上 70人以上 15億円以上
中会社 5,000万円以上 35人以下 8,000万円以上15億円未満
小会社 5,000万円未満 5人以下 8,000万円未満

国税庁法令解釈通達より
(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/08/02.htm#a-178)
 
会社の規模が確定したら、会社の規模に合わせた評価方法を選択します。
具体的には、
 

  • ・大会社は、類似業種比準方式
  • ・中会社は、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用
  • ・小会社は、純資産価額方式

 
をそれぞれ選択します。
 
なお、これらの計算は、知らない方には難しいので、弁護士等の専門家に相談しましょう。
 

経営する会社の自社株を夫婦のどちらかが所有している場合は?

例えば、夫が経営している会社の株式を妻が所有している場合です。
中小企業では、オーナーが集中的に株式を取得していない場合は、会社経営に響くことがあります。特定の株主が多数の株式を所有していると、その株主がオーナーの経営方針に反対したり、会社の乗っ取りを企む可能性があるためです。
 
そのため、こうした夫婦が離婚するならば、離婚時に妻が所有している株式をすべて譲渡してもらうことを検討しましょう。
 

株を隠している場合は?

株は、不動産や銀行の預貯金と違い、隠しやすい資産と言えます。
夫婦のどちらか一方が、妻や夫に内緒で、株式投資をやって、へそくり的に資産を貯めていることもありえます。
そうした資産も、元手が共有財産であれば、離婚するときは財産分与すべき財産になります。
配偶者が株式投資をやっているはずなのに、株を隠していると考えられるケースでは、弁護士に依頼して調査してもらうことも検討しましょう。
弁護士なら、弁護士照会と言い、弁護士会を介して、証券会社等に情報開示を求めたり、調査嘱託と言い、裁判所に申立したうえで強制的に開示を求めることも可能です。
 

株を財産分与する方法

株式を財産分与する具体的な方法としては、次の3通りが挙げられます。
 

  • ・株式そのものを分割する方法(現物分割)
  • ・株式を売却したうえで、代金を分割する方法(換価分割)
  • ・夫婦の一方のみが取得し、他方に代償金を支払う方法(代償分割)

 
一つ一つ確認しましょう。
 

株式そのものを分割する方法(現物分割)

現物分割は最も単純な分割方法です。
例えば、株式を200株有していたケースでは、原則として、夫と妻がそれぞれ、100株ずつ取得するという形で分割します。
なお、株式は、夫婦で分けるだけでなく、証券会社の手続きが必要です。
離婚に伴う財産分与の協議で、このような取り決めをしたら、証券会社に連絡して手続してもらいましょう。
 

株式を売却したうえで、代金を分割する方法(換価分割)

換価分割も明確な分割方法です。
株式の購入は基本的に100株単位が原則とされており、100株しか持っていない場合は、分割できないこともあります。
また、証券会社の手続き上、分割が難しいこともあります。このような場合は、離婚時に売却し、その売却代金を分割する方法が検討されます。
例えば、1株1,000円の株式100株が10万円で売れた場合は、夫と妻がそれぞれ、5万円ずつで分けることになります。
 

夫婦の一方のみが取得し、他方に代償金を支払う方法(代償分割)

夫婦の一方が、株式の運用を継続したいと考えている場合は、夫婦の一方が全株式を取得し、他方に対して代償金を支払う形を検討します。
 
例えば、運用している株式の株価が1000万円だとしましょう。
この株式の運用を夫が続けたい場合は、夫は離婚時に妻に対して、500万円の代償金を支払う形になります。
 

株を財産分与で分けるための手続き

株を財産分与で分けるためには、まず、株式も含めて、財産分与の具体的な内容を決める必要があります。
財産分与の具体的な内容を決めるには、
 

  • ・協議する(協議離婚)
  • ・調停を行う(調停離婚)

 
この2つの方法があります。
 

協議する(協議離婚)場合

財産分与の具体的な内容は、離婚に際して、夫婦が協議して決めるのが原則です。
離婚の際は、財産分与以外にも、未成年の子どもの親権、養育費、面会交流、慰謝料、年金分割、婚姻費用といった取り決めが必要です。
つまり、財産分与の具体的な内容は、離婚で決めるべきことの一つということになります。
 
株式も含めて財産分与の具体的な内容を決めたら、離婚協議書を作成します。
証券会社に問い合わせて、株式の名義を変更する手続きを行うにしても、離婚協議書等の財産分与の内容を示す文書が必要なのでしっかりと記載しましょう。
なお、財産分与を確実に実現するためには、離婚協議書を公正証書で作成し、強制執行認諾条項を入れるとよいでしょう。
 

調停を行う(調停離婚)場合

夫婦の話し合いだけで、離婚の協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。
調停は、離婚前はもちろん、離婚後でも申立てができます。
 
離婚前は、夫婦関係調整調停(離婚)として、財産分与も含めて離婚に際して取り決めるべきことをすべて話し合います。
また、財産分与請求調停として、財産分与だけの調停の申立もできます。
 
なお、離婚後に調停を申し立てる場合は、タイムリミットに注意しましょう。
財産分与の調停の申立ては、「離婚の時から2年以内」に行わなければなりません。(令和6年5月に成立した改正民法が施行された後は、「離婚の時から5年以内」に引き伸ばされます。)
 
財産分与の調停が不成立となった場合は、自動的に審判手続が開始します。
審判とは、家庭裁判所の裁判官が、双方から話を聞いたうえで、審判という形で、最終的な結論を出すものです。
この審判に不服がある場合は、高等裁判所に即時抗告の申立てを行うことができます。
 
調停が成立すれば、調停調書、審判が確定した時に審判書が作成されるので、これらの文書に基づいて、財産分与を行うことができます。
 

まとめ

離婚する際、夫婦のどちらか一方または双方が株を有していれば、財産分与すべき財産になります。
ただし、株式が特有財産に当たる場合は、財産分与の対象から外れます。その際は、特有財産に当たることの客観的な資料が必要です。
また、株は、財産分与する時に株価の評価が必要です。非上場株式の場合は、難しい計算も必要なので、弁護士などの専門家に相談して、適正な株価を算出する必要があります。
離婚する時は、株の財産分与がトラブルの原因になりやすいため、早めに弁護士にご相談ください。

その他のコラム

養育費不払いに対する対応(養育費支払いの現状と取り決め方法)

1 養育費支払いの現状 離婚する夫婦に未成熟の子どもがいる場合、子どもの生活費として支払われるものが養育費です。子供を育てていくために多くのお金がいることは明らかであり、養育費は子どもが自立して生活できるようになるまでの大事なお金の問題ということになります。   ところが、厚生労働省の平成28年度全国ひとり親世帯等調査によると、現在養育費を受けている母子家庭は約24%、父子家庭は約3%にとどまっています...

別居後に預貯金の増減があった場合の財産分与の額は?

1 はじめに 財産分与における基準時の問題は、以前のコラムでお話ししました(詳しくはこちら)。   離婚に先行して夫婦が別居している場合において、別居時点で当事者名義の預貯金が存在するとき、別居時の残高が分与対象となるのが原則です。   その一方で、別居が長期化している場合、別居時と現時点とで預貯金残高が変動(増減)していることもよくあります。その場合、どの時点の残高をもって財産分...

養育費支払いの終期(成年年齢引下げとの関係1)

1 はじめに 養育費支払いの終期に関する原則的な考え方などについては、以前のコラムでお話ししました(詳しくはこちら)。   今回は、養育費の終期に関連して、民法改正による成人年齢の引下げについてお話しします。   2 民法改正による成年年齢の引下げ これまで、民法では成人の年齢が20歳とされていましたが、民法の改正により、令和4年(2022年)4月1日以降、成人年齢が20歳から18歳...

離婚訴訟で訴えられた! → 慰謝料・財産分与等で訴え返す方法(反訴・予備的反訴)②

1 はじめに 前回のコラムでは、離婚訴訟における反訴、予備的反訴について解説しました(詳細はこちら)。   今回はその続きです。   2 控訴審での反訴と相手方の同意の要否 通常民事訴訟の控訴審で反訴を提起するためには、相手方の同意がなければなりません(民事訴訟法300条)。なぜならば、反訴については第一審で審理をしていないため、同意なしでの反訴を認めると、相手方の第一審で審理を受け...

別居で離婚が成立するのに必要な期間は何年?弁護士が解説!

離婚をすすめるうえで、別居期間がどのように影響するのかはケースバイケースです。過去の判例では、3年以内の短期間の例もあれば、10年以上の長期間のケースもあります。離婚が成立するための別居期間の考え方について解説します。   離婚の相談で多いのが「何年別居すれば離婚できますか?」といったものです。 法律上、離婚成立の別居期間について明確な定めがあるわけではありません。 離婚は夫婦の合意があればいつでもできますが...

離婚・男女問題無料相談ご予約。
まずはお気軽にお問合せください

初回相談無料  03-6424-8328

平日:9:00〜21:00

お問い合わせ