財産分与で控訴するかは慎重に(財産分与における不利益変更禁止の原則の不適用)
1 不利益変更禁止の原則とは? 民事訴訟法304条は、第二審(控訴審)における判決について、「第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、することができる」と規定しています。 民事訴訟では、当事者が申し立てていない事項について判断をすることはできないとされています(民事訴訟法246条。これを処分権主義といいます。)。 この原則に基づき、第二審(控訴審)において審理・判断の対象と...
生命保険等の財産分与
1 生命保険や学資保険等は財産分与の対象となるか? 生命保険については結婚前から加入されている方もいれば、結婚を機に加入する方もいらっしゃると思います。 また、子どもが生まれたことを機に将来の学費に備えて学資保険に加入することもあれば、老後の資金として個人年金保険に加入することもあるでしょう。 これら生命保険等が離婚時に財産分与の対象となるか否かについては、貯蓄性があるか否かによって分かれます...
別居後に預貯金の増減があった場合の財産分与の額は?
1 はじめに 財産分与における基準時の問題は、以前のコラムでお話ししました(詳しくはこちら)。 離婚に先行して夫婦が別居している場合において、別居時点で当事者名義の預貯金が存在するとき、別居時の残高が分与対象となるのが原則です。 その一方で、別居が長期化している場合、別居時と現時点とで預貯金残高が変動(増減)していることもよくあります。その場合、どの時点の残高をもって財産分...
財産分与における「基準時」とは?
1 はじめに 財産分与という言葉にはいくつか種類がありますが(清算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与)、最もポピュラーなのは清算的財産分与です。 清算的財産分与とは、離婚時又は離婚後に、婚姻中に夫婦が共同して築いた財産について、夫婦間で分配し、清算する制度です。 2 財産分与における2つの基準時 財産分与においては、「基準時」という問題があります。 具体的に言...
年末年始休業のお知らせ
誠に勝手ながら、当事務所は、令和2年12月27日(月)から令和3年1月4日(月)まで年末年始休業となります(土日祝日は営業時間外です)。 年内最終営業は12月25日(金)、年始の営業開始は令和3年1月5日(火)です。 期間中は大変ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜ります様、お願い申し上げます。 なお、メールでのお問い合わせは随時受け付け...