依頼者(夫・20代・会社員)と(妻・20代・専業主婦)は、婚姻期間5年弱の夫婦であり、子供が2人いました(長女4歳、二女3歳)。婚姻してからしばらくの間、夫婦は、妻の実家に住み、家事・育児について妻の両親の補助を受けながら生活をしていました。その後、仕事の都合で依頼者のみ遠方に単身赴任となりました。依頼者としては、単身赴任先での生活が落ち着き次第、妻と子供も依頼者の下に引っ越し、家族4人で生活するという認識でいました。しかし、妻は、単身赴任後に4人で生活することを約束した覚えはない、妻の実家から出るつもりはないなどと答えたことから、婚姻生活に関する両者の考え方の違いが顕著となりました。次第に衝突も増え、妻からは、婚姻費用の支払い等お金に関する連絡以外こない状況となりました。この状況に耐えかねた依頼者は、妻に対して離婚を切り出しましたが、お金以外の連絡はほぼつかない状況となりました。そのため、離婚協議を進めるべく、弁護士にご相談を頂きました。
妻が実家を離れて単身赴任中の夫(依頼者)と生活することを拒み、離婚にも消極的な状況において、弁護士代理で離婚協議を申し入れ、協議離婚が成立したケース
ご相談の概要
解決に向けた活動
お金以外の話題では中々連絡がつかない状況とのことであったことから、離婚協議とするか離婚調停を申し立てるか悩ましいところでしたが、早期解決を期待して、離婚協議で着手しました。
単に「離婚したい」ということを伝えるだけでは、妻からの応答が得られない可能性があったことから、別居期間が数年以上と長期化していること、弁護士介入前の時点で依頼者が負担していた婚姻費用の金額が、婚姻費用算定表に基づく金額を大きく上回るものであったことから、これらの点を指摘しながら、早期の協議離婚を申し入れました。依頼者には親権の希望もありましたが、子供2人がまだ幼いこと、別居後の数年間、一貫して妻の監護下にあったことから、親権者は妻としつつ、養育費等の話題が中心となりました。
弁護士から離婚請求の通知をした後、一旦妻から連絡がありましたが、その時点では、子供もまだ幼いため、すぐに離婚とは考えられないという回答でした。その後、一定期間、妻からの連絡がなかったため、婚姻費用の金額等に言及しながら、書面連絡を試みたところ、ようやく条件次第で離婚に応じるとの回答がきました。養育費や面会交流についても妻から希望が出され、養育費は算定表相当額の金額であったことから、その金額で合意となりました。面会交流についても、離婚成立のため、妻の希望も踏まえながら条件を詰めました。妻の実家にある依頼者の荷物の取扱い等、離婚条件以外の点にまで話題が及びましたが、一通り離婚条件がまとまったことから、弁護士において離婚協議書を作成し、妻に確認してもらった上で取り交わし、協議離婚成立となりました。
最初に妻と連絡を取った時点から協議離婚成立に至るまで、約7ヶ月での解決となりました。
解決のポイント
夫婦の別居期間が数年に及んでいたことや、その期間中の夫婦間のやり取りの内容等を確認した限り、仮に本件が離婚訴訟になった場合、離婚請求が認められる可能性は高いと見立てました。この見立てに基づき離婚請求を通知したところ、妻からの回答が得られ、離婚協議の進展に繋がりました。
このように、夫婦間で連絡がつかない等の理由で離婚協議が困難な状況であっても、弁護士が代理人で対応することにより、離婚協議が進展する可能性もありますので、お困りの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。
その他の解決事例
日本人女性(依頼者)と外国籍男性の間に子供がおり、当該女性と子供が日本国内、当該男性が外国(母国・ハーグ条約締結国)にいる状況において、当該男性より、ハーグ条約に基づく子の返還申立てがなされたところ、東京家庭裁判所での審理及び調停手続の結果、子供を当該男性の母国に返還しない(日本国内での監護養育を認める)内容での調停が成立したケース
ハーグ条約子の引渡し面会交流養育費依頼者である日本人女性は、海外で相手方の外国籍男性と知り合い、交際関係に発展しました。やがて二人の相手に子供(長男・紛争時2歳)が生まれ、当該男性の母国で3人で生活するようになりました。依頼者にとって慣れない海外での生活に加え、初めての子育てによる緊張感や不安により、依頼者には多大なストレスがかかりました。しかし、当該男性からは、満足のいくような家事・育児の協力が得られず、依頼者はさらに追い詰められ、当該男性やその親族に対し、日本に帰りたいと訴えるようになりました。そうしたところ、当該男性において、母国での勤務先の関連企業が日本国内にあるということで、家族3人で日本国内に移住しました。
当該男性の認識によれば、日本国内での稼働はあくまでも期間限定の認識でした。しかし、依頼者としては、これを機に日本国内で子供と生活することを希望していました。そのため、両者の間で認識の違い、見解の対立が生じました。日本国内でのミッションを終え、当該男性は母国に帰国しましたが、依頼者は子供とともに日本国内にとどまることにしました。
そうしたところ、当該男性より、ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)に基づき、子供を当該男性の母国に返還することを求める内容の申立てがなされました。
夫が妻(依頼者)以外の女性と継続的に不貞関係に及んでいたことから、妻から当該女性に対して慰謝料請求をしたところ、不貞慰謝料として100万円の支払いを受け、かつ、当該女性から夫に対する求償放棄を含む内容で示談したケース
不貞慰謝料依頼者(妻・50代・パート)と夫は婚姻歴20年近くの夫婦であり、未成年の子供が2人いました。依頼者は、夫に女性の影を感じたため、確認したところ、夫の携帯電話から別の女性のメールのやり取りが出てきた他、ラブホテルの割引券等もでてきました。さらに調査したところ、夫が特定の女性と複数回ラブホテルに出入りしていることが判明しました。依頼者は深く傷つきましたが、子供が受験を控えていることもあり、夫とすぐに離婚することは難しい状況でした。他方、当該女性に対しては許せないという思いが強かったことから、不貞慰謝料を請求するべく、ご依頼を頂きました。
依頼者と婚約関係にあった男性から、依頼者の生い立ちや国籍を理由に婚約を破棄された事案において、示談交渉が決裂し、訴訟提起したところ、120万円で和解となったケース
婚約破棄男女問題依頼者(女性・20代)と相手方の男性(20代)は、数年にわたり同棲し、交際関係を継続していました。依頼者は外国籍であり、また、元配偶者との間に子供がいましたが、当該男性はこれらを理解した上で、交際していました。双方の両親に対して将来婚姻する旨の挨拶も済ませ、当該の男性の実家で、男性の両親等と生活をともにすることになりました。
しかし、ある日、当該男性の親から、突然、依頼者の外国籍(さらには当該外国での生活状況)や、子供の存在を引き合いに出し、婚姻することは許さないと告げられてしまいました。依頼者としては、当該男性に助けを求める他ない状況でしたが、当該男性は依頼者を庇うどころか、親を裏切ることはできないとして、婚約は破談となってしまいました。
依頼者は、当該男性(及びその親)を許すことができないとして、ご相談を頂きました。
妻(依頼者)が財産分与として約2800万円の給付を受ける内容で和解離婚が成立したケース
別居親権財産分与離婚時年金分割養育費依頼者(40代妻)と夫は、婚姻歴10年以上の夫婦です。依頼者に連れ子が2人いたところ、婚姻に伴い、連れ子と夫は養子縁組をしました。また、依頼者と夫の間に子供が1人いました。依頼者は、夫の子らに対する暴力や嫌がらせ、威圧的な態度といったモラルハラスメントにより、夫に対して恐怖心を抱くようになり、夫を前にすると体の震えが起きるような状態となったことから、依頼者が家を出る形で別居しました。
別居後間もない頃に、依頼者自身で離婚調停を申し立てましたが、夫が離婚に応じなかったため、不成立となりました。
別居後数年が経過し、依頼者の「離婚したい」という気持ちは変わることはなく、今度こそ離婚したいということでご相談を頂きました。