依頼者(夫・40代・会社員[SE])と妻は、婚姻歴約3年の夫婦です。婚姻後間もなく、妻は妊娠しましたが、その頃から、妻の機嫌が悪く、些細なことで激怒するようになりました。妻からは、過去に精神疾患を患っていたことを聞きましたが、それは婚姻後のことでした。この状況は徐々にエスカレートしていき、依頼者は、妻から、「てめーコノヤロー」、「根性が腐っている」、「お前は死臭がする」等のモラルハラスメントのような発言を幾度となく浴びせられるようになりました。これが原因で、依頼者は体調を崩し、妻との同居生活が耐え難いものとなったため、別居しました。別居後、妻は子を出産し、その際は依頼者も病院に泊まり込むなどして付き添った。
子供は無事生まれたものの、今後妻と一緒に婚姻同居生活を続けていくことはできないと考え、弁護士にご相談を頂きました。
夫(依頼者)が妻から激しい口調で罵られる等して体調を崩し、別居となり、夫から離婚調停を申し立てられたところ、妻から慰謝料(解決金)や高額の養育費を請求されたものの、慰謝料の支払いなし、養育費は夫側が提示した適正額に落ち着く形で調停離婚となったケース
ご相談の概要
解決に向けた活動
子の出産後、妻の精神的な不調が再発し、子供が児童相談所に保護されるという事態が発生しました。このことから、依頼者において、自身が子供の監護者となり、監護養育することを訴えましたが、残念ながらこの点は認められませんでした。
この結果を受け、離婚調停においては、妻が親権者であることを前提に、その他の離婚条件を協議することになりました。依頼者からの申立てに対し、妻は、離婚には応じる意向であるが、依頼者が家事・育児の協力もすることなく勝手に家を出て行ったこと、喧嘩の際に暴力を振るわれたこと等の言い分で、慰謝料(解決金)として数百万円の支払いを求めました。また、養育費について、子供が出産し、従前よりも妻の収入が減ることなどを理由として、夫側で予定していた養育費の額よりも数万円高い月額を請求してきました。
これに対し、夫側では、慰謝料(解決金)の請求は心外であり、寧ろ当方が慰謝料を請求したい位であることから、支払いを拒否しました。また、養育費について、妻が提示した金額の論拠について不合理な点が複数あることを指摘した他、将来の収入変動について根拠資料に基づきながら主張を行いました。そうしたところ、妻は、慰謝料の請求を取り下げ、養育費の金額についても歩み寄りの姿勢が示されたことから、夫側においても養育費について若干の上乗せに応諾し、大筋合意に至りました。最終的に、親権者は妻、養育費は双方の収入や将来の収入変動、稼働能力等を考慮した適正額、夫と子供の面会交流に関する各種取り決めを含んだ内容で、調停離婚が成立しました。
解決のポイント
調停条項では、夫と子供の面会交流に関しても、複数取り決めをしましたが、子供が児童相談所で保護されている状態であったことから、この状態を踏まえての取り決めとなりました。
子供の監護権については、子の年齢、意思、従前の監護状況、監護の安定性、居住環境等、裁判所の判断に当たって重要と考えられている要素があります。親権や監護権でお困りの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。
その他の解決事例
依頼者である女性が、既婚者である男性と不貞関係に及び、当該男性の妻から慰謝料200万円を請求された事案において、減額交渉を行った結果、求償放棄、接触禁止の約定をすることを条件として、20万円に減額する内容で示談したケース
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夫に裏切られた依頼者は、自身が子ども達の親権者となる形で離婚することを決意しました。他方、不貞相手の女性に対しては慰謝料請求したい気持ちがあったものの、直接やり取りするのはストレスということで、ご依頼を頂きました。
婚約関係にあった男性より、婚約を不当破棄したとして、慰謝料等で600万円近くの支払いを求める損害賠償請求訴訟を提起された事案において、婚約破棄に不当性はないこと等の反論を尽くした結果、第一審及び控訴審において、いずれも男性の請求が棄却されたケース
婚約破棄男女問題依頼者(女性・30代)と相手方の男性(40代)は、SNS上のお見合いサイトで知り合い、数年にわたって交際関係にありました。当事者双方に婚姻歴があり、お互いに子供もいたことから、同居はしていませんでしたが、当該男性は依頼者に対し、プレゼントを贈った上で婚姻の申込み(プロポーズ)をしていました。また、二人の間には、子供を含めて一緒に生活するための不動産(マイホーム)を購入する話が持ち上がり、実際に二人で売買契約の場に同席することもありました。しかし、不動産の購入や子供との関係等を巡って二人の間に喧嘩が生じ、また認識の違いが生じたことにより、購入した不動産で同居生活が実現されることはなく、二人の関係が修復されないまま、連絡は途絶えました。
そうしたところ、当該男性より、依頼者が一方的に同居を拒否し、かつ連絡を一切無視する態度に出たことによって、不当に婚約破棄されたとして、慰謝料やその他の財産的損害として、600万円近くの支払いを求める損害賠償請求訴訟が提起されました。依頼者は対応に困り、ご依頼を頂きました。
生後数か月の子供がいる状態で別居となり、妻から夫に対して離婚請求をしたところ、夫は離婚拒否、離婚するなら親権を取りたいと主張していたところ、弁護士による代理協議の結果、妻を親権者とする内容で協議離婚が成立したケース
別居親権離婚養育費依頼者(妻・30代・専業主婦)と夫は、婚姻期間1年未満の夫婦であり、婚姻して数か月後に子供(男の子)が生まれました。しかし、子育ての分担に関して夫婦間で見解の相違が生じたことや、喧嘩となった際、夫が依頼者を罵るような言動に及んだこと、夫の実家で同居生活をするのか否かで見解が対立したなどの理由により、夫婦仲が険悪となり、依頼者が子供を連れて依頼者の実家に帰る形で別居となりました。
別居後、夫は、戻ってきてほしい、離婚したくないということを訴えていました。しかし、依頼者は、離婚の意思が固く、離婚に向けて進めていきたいということで、ご相談を頂きました。