依頼者(妻・30代・兼業主婦[看護師])と相手方(夫)の間には子供が2人(小学生の長女、幼稚園の二女)がいましたが、相手方の粗暴な性格、言葉遣いが荒い、さらに子供を平手打ちにするなど、子供に手を上げることなどが原因で、夫婦関係が悪化しました。挙句の果てには、相手方が、住宅ローンで購入した自宅の鍵をかけ、依頼者は子供が中に入れないようにしてしまいました。そのため、必然的に夫婦は別居となりました。
別居後、住宅ローン付の自宅は売却することになり、買い手がつき、この点は問題解決となりました。
しかし、子供2人の養育費や、相手方が、婚姻後に購入した自動車のローンや、出産に係る費用等の債務の折半を強固に求めてきたことから、離婚協議は進展しませんでした。
その後、相手方から離婚調停を申し立ててきたことから、調停代理としてご依頼を頂きました。
夫から離婚調停を求められ、養育費算定表より低い金額や、婚姻生活で生じた債務について負担を求められたのに対し、養育費について算定表に基づく金額、婚姻生活で生じた債務について負担をしない形で調停離婚となったケース
ご相談の概要
解決に向けた活動
別居後の婚姻費用について、夫婦間で明確な合意はされていなかったことから、婚姻費用分担調停はこちらから申し立てました。離婚調停よりも婚姻費用分担調停での話を先行させ、先に婚姻費用分担調停が成立しました。
養育費について、相手方は、転職して間もない時期で前職よりも収入が下がったことなどを理由として、養育費算定表に基づく金額よりも月1万円低い金額にこだわりました。これに対しては、相手方の従前の稼働能力・実績に鑑み、相手方提示の金額では低いと主張しました。また、自動車ローン等の債務については、「マイナスの財産分与」は到底受け入れらないと主張しました。
また、相手方は子供との面会交流も求めていました。これについては、依頼者が直接子供に確認し、過去に手を上げられたこと等から、面会交流に消極的であることを伝えました。
そうしたところ、期日間に、相手方より、子供のことを一番に考えて離婚条件を再検討したとの連絡がありました。内容としては、親権者は母親である依頼者であることを前提に、面会交流条件は取り決めない、自動車ローン等の債務は求めない、養育費は算定表に基づく金額を支払うというものでした。概ね、依頼者の求める内容が反映されたものであることから、依頼者にも納得して頂きました。調停期日の当日、上記の離婚条件で合意することについて、当事者双方の確認がとれたことから、上記内容にて調停離婚成立となりました。
解決のポイント
財産分与については、マイホームや預金、退職金等の積極財産(プラスの財産)がある場合に、これを夫婦間で清算・分与するというのが基本的な考えですが、時に、住宅ローンや、生活費のための借入れ等の債務を夫婦間で負担すべきかという問題が生じることがあります。基本的に、財産分与はプラスの財産を分与するものであり、マイナスを夫婦間で負担する(連帯債務とするなど)ということは考えられません。もっとも、債務の原因が家族の生活費であるような場合には、婚姻費用や養育費等他の項目で協議・調整を図ることもあります。財産分与でお悩みの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。
その他の解決事例
妻から協議離婚を求められた状況において、養育費の額や面会交流の条件を整えた上で、協議離婚で決着した事例
離婚面会交流養育費依頼者(夫・40代・営業職)と妻(30代)は、婚姻期間6年以上の夫婦であり、子供が1人いました(長女・1歳)。夫婦の間で諍いが生じた際、売り言葉に買い言葉で、依頼者も厳しい口調で言ってしまったことがあり、その夫婦喧嘩の延長線上で、妻と子供が妻の実家に住むという形で別居となりました。後日、弁護士を通じて、妻より、離婚請求がされるとともに、親権者は妻、養育費として相当額等の請求がなされました。
妻に弁護士が就いたということで、依頼者も弁護士を就けて対応したいということで、ご依頼をいただきました。
婚姻をしていない男性との間に生まれた子につき、女性(依頼者)から当該男性に対して認知及び養育費の請求を行ったところ、子と当該男性の生物学的父子関係がほぼ100%認められることを背景に、養育費の一括払いがなされたケース
男女問題認知養育費依頼者である女性は、同じ職場で働く男性と男女交際していたところ、ある時、子を妊娠していることが分かりました。依頼者と当該男性の間に法律上の婚姻関係は無く、その子は婚外子でしたが、依頼者は、その子が当該男性の子であることを確信しました。依頼者が当該男性に対して妊娠の事実を告げたところ、一時は、当該男性も一緒に子育てを頑張っていくという話になったことから、依頼者は出産を決意しました。ところが、子を出産後、一向に当該男性から認知をしてもらえず、挙句の果てに、連絡もつかない状態となってしまいました。そのため、当該男性の対応に怒りを感じた依頼者より、弁護士にご相談を頂きました。
妻が無断で子を連れて別居したことから、夫(依頼者)が監護者指定・子の引渡しの審判を申し立てたところ、審理の結果、妻が監護者として適格であると判断され、面会交流で合意したケース
監護者指定面会交流依頼者(会社員)と妻は、婚姻歴約9年の夫婦であり、子供が1人(小学校4年生)いました。夫婦は、性格の不一致や性的不調和等を理由に関係が悪くなり、最低限の事務連絡をラインでやり取りする以外は会話もない状況でした。
ある日、家族3人で自宅にいたところ、依頼者は用事があったため一人で外出しました。用事を済ませて家に帰る途中、妻より、「別居します。子どもも連れていきます」という趣旨のラインが送られてきました。依頼者が自宅に戻ると、既に妻と子供はおらず、両名の身の回りの荷物もなくなっていました。その翌日には、妻の代理人弁護士から連絡があり、離婚調停等を申し立てたとのことでした。
依頼者は何とか子供を取り返したいと思い、ご相談を頂きました。
生後数か月の子供がいる状態で別居となり、妻から夫に対して離婚請求をしたところ、夫は離婚拒否、離婚するなら親権を取りたいと主張していたところ、弁護士による代理協議の結果、妻を親権者とする内容で協議離婚が成立したケース
別居親権離婚養育費依頼者(妻・30代・専業主婦)と夫は、婚姻期間1年未満の夫婦であり、婚姻して数か月後に子供(男の子)が生まれました。しかし、子育ての分担に関して夫婦間で見解の相違が生じたことや、喧嘩となった際、夫が依頼者を罵るような言動に及んだこと、夫の実家で同居生活をするのか否かで見解が対立したなどの理由により、夫婦仲が険悪となり、依頼者が子供を連れて依頼者の実家に帰る形で別居となりました。
別居後、夫は、戻ってきてほしい、離婚したくないということを訴えていました。しかし、依頼者は、離婚の意思が固く、離婚に向けて進めていきたいということで、ご相談を頂きました。
依頼者である男性が、肉体関係を結んだ女性から度重なる金銭の請求をされている事案において、調査の結果、当該女性が申告する事実が虚偽であることが判明し、過大な請求を放棄させる内容で示談したケース
慰謝料男女問題認知依頼者である男性は、風俗店で知り合った女性と継続的に肉体関係を結んでいました。依頼者には相当程度の収入があったことから、当該女性と会う度に、衣服や化粧品をねだられ、購入していました。不動産を購入するための頭金を請求されることもありました。
そのような中、依頼者は、当該女性から、依頼者の子供を妊娠したと告げられ、入院費用を請求されました。さらには、認知を求めない代わりに、未婚の親に対する生活保障として、向こう10年にわたっての生活費の支払いも求められました。積み重なる当該女性からの請求に依頼者は悩み、今後の対応についてご相談を頂きました。