依頼者(妻・30代・会社員)と夫は婚姻歴5年弱の夫婦であり、幼い子どもが2人いました。ある時から、夫の帰りが日常的に遅くなりました。また、家にいる時も、夫は常に携帯電話をいじっていました。こうしたことから、依頼者は夫の浮気を疑い、問い詰めたところ、夫は同じ職場の女性と不貞していることを白状しました。
夫に裏切られた依頼者は、自身が子ども達の親権者となる形で離婚することを決意しました。他方、不貞相手の女性に対しては慰謝料請求したい気持ちがあったものの、直接やり取りするのはストレスということで、ご依頼を頂きました。
依頼者が不貞相手の女性の住所をご存知だったため、確認したところ、当該女性は父親と同居しているようでした。
そこで、書面ではなく電話で女性とコンタクトを図り、不貞慰謝料を請求する旨を通知しました。すると、女性は、概ね不貞の事実を認め、慰謝料を支払う意思があることも示しました。もっとも、こちらが請求する金額全てを支払うことは難しく、また収入状況等からして一括での支払いはできないとの回答でした。
これを受け、依頼者とも相談をしながら、支払い総額や分割金額の上乗せを中心として交渉を行いました。すると、慰謝料総額250万円、最初に50万円支払い、その後は毎月6万円の分割払いという条件で女性が承諾しました。
依頼者にもこの条件でご納得頂いたため、示談書を作成することにしました。慰謝料は数年にわたる分割払いとなることから、万が一将来不払いとなる場合に備えて、公正証書形式で取り交わすことにしました。予め約束した交渉役場に代理人である弁護士と不貞相手の女性が出頭し、事前に作成した示談書の草案を再度確認し、公正証書を取り交わしました。
ご依頼を頂いてから示談成立に至るまで、約2ヶ月での解決となりました。
本件は、最初に不貞相手の女性と連絡を取った時、不貞の事実と慰謝料の支払意思があることが確認できたことから、その後も比較的テンポよく解決に向けて進めることができました。
依頼者は、不貞相手の女性と対峙した時に冷静でいられる自信がないということで、弁護士にご依頼をされました。同じ悩みを持たれている方も、無理に自分だけで解決しようとせず、弁護士に頼って頂ければと思います。