依頼者は、損害保険の代理業務等を業とする会社(代理店)に勤めていましたが、保険事故に起因して、保険会社から保険契約者に支払われるべき保険金について、依頼者が受領し、その金員を事故のために費消してしまいました。
被害者である保険契約者との間では、勤務先である代理店が示談を締結し、総額で約500万円の損害賠償をしました。これを受け、勤務先から依頼者に対して、その500万円の負担を求める請求がなされたことから、依頼者は対応に悩み、弁護士にご相談を頂きました。
解決事例
依頼者は、損害保険の代理業務等を業とする会社(代理店)に勤めていましたが、保険事故に起因して、保険会社から保険契約者に支払われるべき保険金について、依頼者が受領し、その金員を事故のために費消してしまいました。
被害者である保険契約者との間では、勤務先である代理店が示談を締結し、総額で約500万円の損害賠償をしました。これを受け、勤務先から依頼者に対して、その500万円の負担を求める請求がなされたことから、依頼者は対応に悩み、弁護士にご相談を頂きました。
被害金額の総額について、依頼者の記憶に曖昧な部分もありましたが、大筋において、事実関係に間違いはありませんでした。そのため、事実関係について、細かく認否したり、依頼者の言い分を滔々と述べることはかえって得策ではないと考え、謝罪の気持ちと被害弁償の意思があることを最優先で明示しました。それに併せて、被害弁償のため一定の金員までは工面することができたが、それを超える金員については、分割払いとさせて頂けないか等の申し出をしました。
そうしたところ、勤務先の代表取締役社長より連絡を頂きました。内容としては、依頼者の配偶者や子供に思いを馳せ、依頼者がしてしまった行為を素直に認め、500万円に至らなくとも、一括で工面できる範囲での支払いがなされるのであれば、示談に応じる(刑事告訴はしない)意向はあるというものでした。
この内容を依頼者に報告したところ、親族から借りるなどして、300万円であれば一括での支払いが可能であるということであったため、勤務先の代表にその旨伝えました。代表より、300万円であれば示談に応じるとのご回答を頂いたため、弁護士において示談書を作成し、依頼者及び代表の確認を得て、示談成立となりました。
弁護士による介入通知の連絡をしてから示談成立に至るまで、約1ヶ月での解決となりました。
本件の被害金額は高額であり、保険契約者や勤務先による刑事告訴も十分考えられる状況でした。刑事事件として起訴された場合、被害金額の大きさから、懲役刑となることもあり得る状況でした。
もっとも、謝罪や被害弁償の意思を示したのに対し、勤務先の代表において、相応の被害弁償がなされれば示談する(刑事告訴はしない)という柔軟な姿勢を示した頂いたことから、示談成立の道が開けました。民事の示談で解決したのは、勤務先の代表による寛大な対応に依るところが大きかったとも言えます。
一般民事事件や、刑事事件(起訴前弁護事件)において、当事者間では金銭や感情のもつれによって解決が困難な状況が怒り得ます。そのような場合、弁護士がご本人の窓口となり、第三者的視点を持ちながら交渉にあたることによって、解決に向かって進みだすということもありますので、お困りの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。