依頼者(夫・50代・会社員)と妻は婚姻歴20年以上の夫婦であり、子供が2人(長女、二女)いました。長女は大学生で成人しており、二女は高校生で未成年でした。夫婦は別居していませんでしたが、家の中で会話はなく、メールのやり取りだけであり、食事や寝室も別という家庭内別居の状態でした。また、夫婦間で既に離婚の話題が上がっていました。
依頼者は55歳で定年退職となり、退職一時金と年金で総額3000万円を超える金額を受給することになりました。その数か月後に、妻から離婚調停が申し立てられました。申立ての内容は、離婚の他に、二女の親権者は妻、養育費として相当額、財産分与、慰謝料、年金分割といったものでした。
特に退職金額が非常に高額のため、調停での対応についてご相談を頂きました。
妻から財産分与として3000万円を超える退職金の2分の1相当額を請求されたのに対し、 子どもの教育費のための借入れ分は退職金から控除すべきであるなどと主張し、この主張が受け容れられる形で調停離婚が成立したケース
ご相談の概要
解決に向けた活動
調停期日の前の時点で予想はついていましたが、案の定、妻は、財産分与として、3000万円を超える退職金について、シンプルにその2分の1相当額を分与してほしいと主張しました。これに対し、夫側では、3000万円を超える金額の全てが財産分与として2分の1の対象になることは相当でないことを主張しました。具体的には、退職金の算定対象となった在職期間のうち、10年弱は独身期間であったため、この部分は夫婦共同で築いた財産と言えないことを主張しました。また、本来年金の形式で受給する予定であったものを、清算的財産分与のため一時金として受給する場合は税金が発生するため、これを控除すべきことも主張しました。さらに、2人の子どもは小学校から私立学校に通っていたところ、婚姻期間中、ほぼ依頼者の収入だけ(シングルインカム)で過ごしてきたことから、教育費に不足が生じ、複数の借入れ(借金)がありました。この借金は教育費を工面するためのであり、本来夫婦の共有財産をもって負担すべきであるから、この借入れ分は退職金から控除するべきであると主張しました。この主張に加えて、婚姻期間中に依頼者が負担していた教育費について、銀行口座の取引履歴を証拠として提出し、その概算を提示しました。
なお、親権について、当初は妻が親権者となることで概ね合意していましたが、経済的な事情もあり、親権者は父親である依頼者ということになりました。
退職金の清算について、妻は夫側の主張に強く反発し、妻が要求する金額と夫側が回答金額とで1000万円を超える金額の開きがありました。このままでは調停成立は困難な状態でしたが、二女の親権者となることで、将来の大学進学や仕送り費用で多額の費用がかかることを金額を算定して提示し、理解を求めました。他方、解決のため、当初回答した金額について一定程度上乗せする方向で再提示しました。そうしたところ、妻から多少の反発はあったものの、最終的には夫側が再提示した金額で合意に至ったため、離婚調停成立となりました。
第1回の調停期日から調停成立に至るまで、約6ヶ月での解決となりました。
解決のポイント
財産分与の金額について再提示をする際、財産分与の基準時に関する議論等を踏まえながら、訴訟になった場合の主張(反論)方針を複数列挙することで、妻に対し調停での解決の方に向いてもらうように促しました。結果、訴訟にまで発展することなく、比較的早期に解決することができました。
財産分与のうち、特に自宅(不動産)や退職金の取扱いについては争点となりやすいですので、対応にお困りの方は、京浜蒲田法律事務所の弁護士にご相談ください。
その他の解決事例
生後数か月の子供がいる状態で別居となり、妻から夫に対して離婚請求をしたところ、夫は離婚拒否、離婚するなら親権を取りたいと主張していたところ、弁護士による代理協議の結果、妻を親権者とする内容で協議離婚が成立したケース
別居親権離婚養育費依頼者(妻・30代・専業主婦)と夫は、婚姻期間1年未満の夫婦であり、婚姻して数か月後に子供(男の子)が生まれました。しかし、子育ての分担に関して夫婦間で見解の相違が生じたことや、喧嘩となった際、夫が依頼者を罵るような言動に及んだこと、夫の実家で同居生活をするのか否かで見解が対立したなどの理由により、夫婦仲が険悪となり、依頼者が子供を連れて依頼者の実家に帰る形で別居となりました。
別居後、夫は、戻ってきてほしい、離婚したくないということを訴えていました。しかし、依頼者は、離婚の意思が固く、離婚に向けて進めていきたいということで、ご相談を頂きました。
妻から夫の不貞相手である女性に対して慰謝料請求訴訟を提起し、不貞関係が長期間に及んでいることや、当該女性の開き直りのような態度を指摘した結果、慰謝料として150万円の支払いを受ける内容で和解となったケース
不貞慰謝料依頼者(妻・40代・専業主婦)と夫(40代)の間には子供が2人(長男18歳、二男14歳)おり、長男及び二男とともに家族4人で生活していました。依頼者は、かねてより、夫に女性の影を感じていました。そこで、依頼者が夫の携帯電話を確認したところ、夫が依頼者以外の女性と不貞関係に及んでいることを疑わせるメールを発見しました。これに基づき依頼者が夫を問いただしたところ、5年以上にわたり、特定の女性と、当該女性の自宅や単身赴任先で不貞関係に及んでいることを自白しました。
当該女性は、依頼者が学生時代の時の知り合いであったことから、尚更依頼者は不貞行為を許容することができませんでした。子供達の存在や、依頼者の健康上の理由から、別居・離婚は困難であったことから、当該女性に対して慰謝料を請求すべく、ご依頼を頂きました。
依頼者である男性が交際相手の女性との入籍前に、当該女性が別の男性と肉体関係を持っていたことが判明したため、当該男性に対して損害賠償請求を請求したところ、50万円の損害賠償を受ける内容で示談したケース
内縁関係婚約慰謝料依頼者(男性)は、数年間交際した女性と婚姻の約束をしていましたが、入籍直前で、当該女性が別の男性と肉体関係を持っていることが発覚しました。依頼者は激しく動揺し、婚姻を破談にするか悩みましたが、当該女性は不貞の事実を素直に認め、謝罪したことから、当該女性とは予定どおり婚姻しました。
しかし、浮気相手である当該男性については、依頼者の存在を知りながら不貞の関係を続けていたことから、許すことはできないということで、弁護士にご相談を頂きました。
子供が生まれたことをきっかけとして妻が実家に依存するようになり、別居となった事案において、夫から離婚調停を申し立て、将来における減収や妻の潜在的稼働能力を踏まえて養育費が算定されたケース
別居親権財産分与離婚面会交流養育費依頼者(夫・30代・会社員[調理師])と妻は、婚姻歴5年弱の夫婦であり、子供が1人(長男2歳)いました。依頼者と妻は2人で夫婦生活を送っていましたが、同じ県内に妻の実家があり、比較的帰省は容易な状況でした。妻が子供を妊娠し、出産することになって以降、妻は頻繁に実家に帰り、妻の両親の援助を受けるようになりました。依頼者は、仕事の都合で県外に行くこともあり、妻の実家に援助を求めることもしょうがないと感じていましたが、次第に、実家依存症ではないかと思う程、妻は実家にいるようになりました。そして、ある時、妻から依頼者に対し、依頼者と住んでいた家には戻りたくない、このまま実家で生活すると告げられ、実家帰省のはずが、そのまま別居となりました。
依頼者は妻に対し、何度も、子供と一緒に戻ってきてほしいとお願いをしましたが、実家にいる方が安心だから等の理由で応じてもらえませんでした。依頼者はあくまでも関係修復(円満)を求めていましたが、妻の気持ちが変わる気配が全くなかったことから、この状態では婚姻関係を続ける意味がないとして、ご相談を頂きました。
妻の不貞が原因で離婚した夫(依頼者)が、不貞相手の男性に慰謝料を請求し、300万円一括払いという内容で示談したケース
不貞慰謝料別居離婚依頼者(夫・30代・会社員)と妻は婚姻歴8年弱の夫婦であり、子どもが2人(7歳、5歳)いました。
コロナ禍で外出自粛要請がある中、妻の外出頻度は多くなり、帰りの時間も終電や深夜での帰宅が多くなりました。また、家にいる時も、妻は一人でイヤホンをして台所に籠りがちになりました。依頼者が妻の荷物を整理していたところ、女性用の避妊具を発見しました。
ある時、依頼者と子ども達が既に就寝していたところ、妻が家に帰ってきて、ドア越しに妻が電話で誰かと話している声が聞こえました。その内容は「愛してる」等といったものでした。それを聞いた依頼者は、たまらず妻を問いただしたところ、飲食店で知り合った男性と不貞関係にあることを自白しました。
不貞が発覚したことにより、夫婦関係の修復は不可能な状態となり、夫婦は離婚しました。
他方、依頼者は、不貞相手の男性が許せないということで、不貞慰謝料請求のご依頼を頂きました。